PDCAよりコルブ

【授業研究】昨日の記事を書きながら思い出したことがあります。それは昨年の秋以降になって何人もの人に言われたことです。それはコロナ禍の中でオンライン授業やオンライン研修会が当たり前のようになってきたことが話題になるときでした。

 「小林さんはこの変化への対応が早かったですよね~」。私が5月にはオンライン研修会を始め、夏以降は対面とオンライン研修会を当たり前のようにやっていたことをさしてのお褒めの言葉です。多くの場合「たまたまZoomに数年前からなじんでいましたからね~」くらいで終わらせていました。

 ところがある日「他の多くの人たちは、未だに乗り換えられない。むしろ、オンライン授業などが必要なくなる元の世界の回復を待っているように見える。そんな人と小林さんはどこが違うのですか?」と切り込まれました。「好奇心旺盛だからね」と茶化すのも失礼な気がしたので、真剣に考えて答えました。それは以下です。

「たぶんPDCAとコルブの違いだと思う。私は十数年前にコルブの理論に触れて以来、これが学習し続けること成長し続けることの根本だと思つたんだよね。それが高校物理授業改善の根本理論にもなった。逆に言えばPDCAではダメなんだよね。今回の違いはPDCAを基盤に置いている人はまずはPDCAのP、つまり計画を立てることを考えたんじゃないかな?どこから始めるか、いつまでにやるか?‥等々の計画を立てようとしたら、そんな入門書なんて出ていないから踏み出せなかったのだろうと思うよ。

 私はコルブが基盤だから、まずは〈経験から始める〉となるんだよ。その経験を〈振り返る〉ことをすればよいととらえるんだよね。だからまずはやってみる。PDCA的に言えばそれは無謀なことなのかもしれないけど、コルブ流に考えると〈経験することも考えることもそれぞれが単独で機能することはない※1〉んだよね。だから私はまずやってみようと考える。やってみることと考えること、学習すること、成長することは一緒だとらえているからためらわないんだと思う。大げさに言うと世界観の違いなのかもしれないね」

 このことを改めてきちんと勉強しなおそうと思います。参考になるのは「最強の経験学習(デイビッド・コルブ他/辰巳出版)」と「大学改革の迷走(佐藤郁也/ちくま新書)」です。そんなものを読む時間などないという方は、このブログですでに何回か取り上げてているので、時間のある時に以下の過去記事をご覧ください。

・「PdCa?」「デミングは"PDCA"とは言っていない?」(2020/1/14)
  https://a2011.hatenablog.com/entry/2020/01/14/065007

PDCAとコルブ(2018/2/28)
      https://a2011.hatenablog.com/entry/2018/02/28/175904?

・ビジネス界の理論が授業改善に役立つ(2016/10/31)
      https://a2011.hatenablog.com/entry/20161031/p1

※1「最強の経験学習(デイビッド・コルブ他/辰巳出版)」p-37

※秋から継続しているオンライン連続講座の案内は以下です。
◎「みんなのオンライン職員室」はこちら→ https://minnano.online/
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