ビジネス界の理論が授業改善に役立つ

【授業研究】「人事評価はもういらない〜成果主義人事の限界〜(松丘啓司/ファーストプレス)」という本が売れています。成果主義は日本では富士通が最初に取り入れ、業績が向上して、注目されました。これが大きなインパクトになりあちこちの企業が取り入れ、学校の人事評価にも採用されました。ビジネスコーチングが隆盛したのもこの影響です。

  しかし、富士通の業績はその後悪化し、早々と成果主義をやめてしまいました。その後も成果主義をやめる会社はいくつか出てきています。しかし、学校における成果主義は検討されることもなく、むしろより緻密化を進めているようです。そして、その延長線上に観点別評価が重視されているようです。
  私はピーター・センゲの「学習する組織」を引き合いに出しながら「評価・評定」には疑問を呈してきていますが、この本は「アメリカのトップ企業は成果主義を続々とやめている」と報告しています。そこで取り上げていることは、私が物理授業でやっていたことと共通します。例えば以下の点です。
・コルブの経験学習モデルを重視している。
PDCAサイクルを1年単位で回すのでは遅すぎる。
・リアルタイムの「振り返り」と「気づき」が大事だ。
・未来志向の指導者(=授業者)の問いかけが必要だ。
・社員のコラボレーション促進に重点を置く。(態度目標に「チームで協力する」を入れる)
 ビジネス社会は議論ではなく実践を重視します。結果を重視します。その小気味よさにいつも感動します。
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