教育委員会等のオンライン研修会

 【授業研究】学校や教育委員会・教育センターなどから依頼されている研修会がCOVIT-19の影響で揺れています。中止になったものもありますが、大半は延期または形態を変えて実施の方向です。形態を変えるとはオンラインでやるということです。私がそこそこオンライン研修会の講師などの経験があることを知っている担当の方は細々とした相談をしてきてくれます。

 その中で感じることがあります。➀オンライン研修会とはオンラインでワンウェイの講義をやるものだと理解している人が多い。➁グループワークや録画ができることを知らない人が多い。➂「反転授業」の手法を使うとオンライン研修会の方が通常の研修会より質が高いことを知らない人が多い。④講師にとっても負担が軽くて質の高い研修会になりやすいことが伝わりにくい。⑤講師謝金に対する理解が乏しい。

 ➀はリアルに行われている研修会の大半ががワンウェイだからなのだと思います。質の高いオンライン研修会(オンライン・ワークショップ)が広がることで、リアルの研修会の形態が替わって欲しいものです。

 ②は実際に受講者として体験してみないとその効果を実感しにくいと思います。私は指導する立場と受講する立場の両方で何回も体験していますが、受講する立場での経験がこの効果を深く実感できます。教育委員会や管理職・指導主事の立場の人に体験的に理解して欲しいものです。

 ➂はオンラインでやるときに「一斉講義」は無駄が多いということです。参加者にとっては貴重なオンライン研修会の中で何十分もワンウェイで話を聞かされるのはかなりの苦痛です。眠くなったり、お茶を飲んだり、メールチェックなどの他の作業や遊びをしたくなります。事前に音声付パワポデータか講演録画を配布しておいてもらえば好きな時間に好きなように視聴します。私はyoutubeや動画などで配信してもらえば、1.5~2.0倍速で見ています。私が知っている学生や学習仲間にとっては常識化しています。いわゆる「反転授業」です。これかできるとリアルタイムのオンライン研修会ではグループワークで振り返り、全体会で質疑応答に時間をかけることができます。私の感覚ではリアルの研修会より質が高くなります。

 ④この方法は講師にとっても「慣れれば」負担が軽くなります。音声付きパワポデータは1スライドごとに録音してありますから、これらをそれぞれの研修会テーマに応じて組み合わせることもできます。研修会のテーマに応じて自分が持っているデータを編集すればよいことになります。このデータはリアルでも役立ちます。説明部分はその場で肉声で説明するより、練り上げて録音したスライドを聞いてもらう方が、説明の質は高いし時間が延びることもないからです。

 ⑤はなかなか悩ましい問題です。一部の教育委員会からは「現場に来ないから報酬(謝金)を予定通りに払えないかもしれない」と言われたことがあります。「当然、規定通りにお支払いします。交通費を出さない分節約になります」と対応してくれるところもあります。中にはオンラインで私のワークショップに加えて「グループ別の話し合いもやりたい」という提案が出て、「じゃそこも私がZOOMを操作してやってしまいましょう」と提案すると「その時間分の謝金の増額も検討します」という有難い話も出てきました。

 いわゆる「アクティブラーニング」の困難は多くの先生たちが「自分が生徒・受講者として受けたことがない授業をつくること」にありました。オンライン研修会でも同様の事が起きている気がします。まずは管理職・指導主事などの立場にある人たちが「質の高いオンライン・ワークショップ」を体験してもらえると指導者としても企画運営者としても一歩前進できると思います。

 これは休校延長の中で様々な形で子どたち向けの授業を配信している先生たちにも言えることなのかもしれません。

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