ひどいオンライン研修会講師?

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【授業研究】いつの間に1年間くらい続いている「オンライン雑談会」があります。そこで「あるオンライン研修会に参加したら、その講師がひどくて‥」とCさんが話し出しました。みんな興味津々。「なになに?」と前のめり。概要は以下でした。

1 冒頭に自己紹介が30分間続いた。
  しかも、その内容はそのあとの研修とは無関係。
  2時間のうちの30分間。なんと1/4ということです!

2 研修会の内容の大半はワンウェイの解説。
  その内容もあまり面白くない。

3 ワークショップといいつつ、参加者の発言なし。
   一応、少しブレイクアウトルームはあったそうです。
   しかし、戻ってくるとまた講義。
   参加者がメインルームで発言することはなかったとのこと。
   講師と参加者間での質疑応答もなかったようです。

4 予定時間を余裕でオーバー。
   2時間の予定が30分ほど伸びたようです。
   しかも、講師は気にしている様子がない。

5 講師歴20年のベテラン講師でした。
   しかし、参加者の一部は寝ていたようです。

 聞きながら私は大丈夫か?冷や冷やしながら聞いていました。
まあ、おおむねクリアしたようです。
その後、みんなさんと雑談していたのですが、
最も印象的だったのは以下のことです。

 「たぶん対面の研修会なら、それでもそれほど文句もでないのだろうね」です。その理由は色々あります。対面なら講師のつまらない話でも隣の人と話をすることで、それなりに楽しめる。何より「参加している」という満足感がある。

 ある人はこの現象をセレモニーと言います。授業の内容が分かったかどうかではなく、1時間授業に参加・出席したことで満足するという意味です。別のある校長は「校内研修会の目的は〈講師の話を聴くこと〉になっている」と言います。たぶん、これまでの先生や講師は〈一定時間の授業(研修会)で話し続けた〉〈壇上で色々やった〉ということで役割を果たしたと感じたのでしょう。

 オンラインが増えてくるとこの〈伝統?〉が崩れてくる気がします。事前視聴用動画などを使うのが当たり前になれば、「オンラインで自己紹介はいらない」「オンラインで講義は要らない」、「オンラインだから質問したい」「オンラインだから参加者同士で話し合いたい」ということになりそうです。

 最近の私は同じ職場の先生たち相手にオンラインで研修会講師を務めて、オンラインでグループワークをやると、「久しぶりに同僚とじっくり話し合いができた」との感想が出てきます。これは興味深い現象です。このことの意味は別に取り上げますが、オンライン研修会(授業)が増加し、受講する側もそれに慣れてくると、受講する側の要求レベルは高くなります。変質します。

 オンライン主流に時代が転換するということは、〈講師受難の時代〉になるのかもしれません。これは授業者にとっても同じことです。オンライン授業で育った若い世代はオンライン授業(研修会)の指導がうまくなり、その上の世代はついていけないということになるかもしれません。「ICT機器を使える若者、使えない年長者」よりももっと深刻な事態になるのかもしれません。

参加者は寝てしまう(別に不真面目な人たちではない)
研修講師を20年やってる方だそうです。
ZOOMの使い方に慣れてないからというのとは違う問題点が垣間見えました……

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