【授業研究】少し前に行った学校向けの研修会は教育系企業のサポートでした。この会社の方たちとのお付き合いは初めてでした。終了後の振り返りの中で出てきた話に考えさせられました。
担当の方たちは皆さんまだ20代かなという若い人たちです。その人たちが「私たちもああいう勉強をしなくては、と思いました」と言います。それはこの研修会の事前視聴用動画で私が触れ、当日も質問が出て少し補足した、「授業改善の背景」です。
明治維新、日清・日露戦争、アジア太平洋戦争、東京オリンピック(1964)、ジャパン・アズ・ナンバーワン、バブル崩壊、ボーダーレス社会の出現、ユビキタス時代の出現、産業の消失と出現のサイクル短縮、「希望格差社会」、学校パイプライン説、ヒドゥンカリキュラム、「100年人生・ライフシフトの考え方」の出現、人口減少、生産性の低下、技術的失業の危機到来、リスキリング(学び直し)の必要性‥
これらと「授業改善の必要性・方向性」との関連について、彼らは「知らない」と言うのです。だから「学ばなくては‥」と言います。「そうかあ、じゃ、いくつか講義動画のストックがあるから、問題なさそうなのを紹介するか、少しアレンジして紹介しますね」と答えました。
「考えさせられた」というのはこの若い人たちは率直に「知らない」「自分たちも学ぶ必要がある」「教えて欲しい」と言い出したことです。このようなことは過去に1度だけしかありません。某社の営業の人たちが「授業改善の背景を知らないと仕事ができない」と言い出して、その人たちに講義をしたことがありました。
学校の先生たち向けに私のような話をしている講師は少なくないと思います。それを横で聞いている人たちは普通は「他人ごと」として聞いているのだろうなあ‥と感じたということです。授業改善の最前線にいる教師は毎日、自問自答します。「なぜ、こんなことをしなくてはならないのか」「生徒たちにその理由をどう説明するのか」「保護者に理解してもらうにはどうするか」‥でも、この若い人たちのような立場の人たちはそれほど切実な問題ではないのだろうと思います。
その若い人たちが「自分たちの問題でもある」「学びたい」と言い出したことがとても新鮮です。高校教師の時にはしばしば教科書会社の人たちや近隣の人たちにも話をしていました。その時のことを思い出しました。この若い人たちに向けての詳しい解説をするのも「授業改善運動」の1つだと感じ始めています。
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