孤独は深刻な伝染病

【授業研究】知り合いから半分冗談で進められた本が「世界一孤独な日本のオジサン(岡本純子著/角川新書)でした。それほど期待もせずに移動中の読書のついでに読み始めてびっくり。これはすごい本です。教育関係者にも、若い人にも、女性にも、読んでほしい大事な本です。

 まず、「孤独」は死に至る伝染病だということです。その威力は、禁煙をしたり、ダイエットをしたりしても追いつかないほど、人を死にに近づけるほどの脅威だというのです。このことをすでにイギリスでは重要視し、2018年1月17日にイギリス政府は「孤独担当相」を設置したということです。

 しかし、日本の「孤独」伝染の方がイギリスより深刻だとこの本では言います。その根本原因はコミュニケーション能力。特に男らしさを求める、求められる男性たちに深刻だと言います。その解決策は当然コミュニケーション能力を高めることです。

 という視点に立つと、「主体的・対話的で深い学びの実現」というスローガンは実に重要なものに見えてきます。私はこのスローガンを実現するには授業者自身が「対話的な学び」を実践することが必要だと研修会講師の場で、或いは著作を通して説き続けてきました。そうすることで、先生たちの定年退職後の生き方にも役立つと言い続けてきました。

 この本の視点に立つと、「長生きするために」授業改善が必要だということもできそうです。授業改善を考えている先生たちにぜひともお勧めしたい一冊です。

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