ビドゥンカリキュラム

【授業改善の必要性8】「学校パイプライン説」に関しては述べたいことがまだありますが、今は「授業改善の必要性」を概観するために先に進めることにします。
  工業化社会における学校教育のもうひとつの特徴は「ヒドゥンカリキュラム」です。直訳すれば「隠された教育課程」となります。学校教育の「カリキュラム(教育課程)」は社会人に必要な知識や技能を習得するように作られています。言わば、読み書きソロバンです。しかし、その表向きのカリキュラムとは別に、隠された「狙い」=「カリキュラム」があるというわけです。
  それは「優秀なフォロアー」を育成するためのカリキュラムだというのです。具体的には何か。学校教育では私たちが当たり前だと思っている事柄です。例えば、「私語の禁止」「居眠り禁止」「脇見禁止」「制服義務付け」「遅刻欠席厳禁」「皆勤賞」「毎日数時間の授業」「先生に従うのが良い子」「板書&ノート」等々です。
  これらに子供たちを慣れさせ、従わせていくうちに、子供たちの中に育つのは、「忍耐強さ、従順性、協調性」であり、これこそ、「優秀なフォロアー」を育成していることなのだというのです。(この項続く)