理論の効果を確信

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【授業研究】4月から継続しているGCS(*1)の月例全体会が行われました。私が2年ほど前から整理して、伝え始めた「基本スキルと基本パターン」という理論に基づき組織的授業改善を指導しています。対象校は5校です。

 昨日の全体会では「基本パターン」をテーマにブレイクアウトルームで話し合いを続けてもらいました。終了後にスタッフで振り返り。出てきた発言は以下でした。
「みんなが基本パターンを覚えていますね」
「『私は基本パターンのⅡの②でやっています』というとみんなが理解していますよ」
「そうそう、それって何?と言う人はいない」
「基本パターンでやり始めてから生徒の集中力が上がったという発言もあった」‥

 これらはとてもうれしいことです。2014年ごろから「アクティブラーニング」の流行の波にのまれた私は多くのイベントに登壇させてもらいながら違和感を持っていました。それは「科学的研究方法の欠如」でした。イベントで多くの人たちが見せる「授業の実演」はショーの連続でした。各地で行われた「研究授業」「公開授業」はその日のための「特別な授業」ばかりです。その授業者がもてはやされますが、それらの人たちの「普段の授業」とはかなり異なっていたようです。

 物理学科出身の私はこの研究方法は「科学的ではない」と理解しました。それからは「普段の授業」を見学することに力を注ぎました。幸いなことに多くの学校現場の皆さんが見せてくれました。その「普段の授業」の研究から抽出できた論理が「基本スキルと基本パターン」でした。自信はあったものの、私しか論じていないことを信じてもらえるかどうかは大きな壁でした。

 昨年(2020年)度は3つの学校がこの理論に基づいて組織的授業改善にチャレンジしてくれました。かなり良い感触でした。そして今年度の5校。昨年度より学校間の協働を強化しています。その成果が出てきたということです。これで8校の実践に成功。今年度の後半は更に多くの個人や学校を対象に実践的研究が進みます。理論的にはおおむね整備できたので、これからは実践のための手続きを開発することが中心です。このタイミングでいくつかの新しいツールが使えることも魅力的です。

 ようやく単行本の原稿を書けそうです。お楽しみに。

(*1)GCS(グループ・コンサルティング・サービス)のこと。
  FCEエデュケーション社のバックアップを得て展開している授業改善研究。

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