オンライン授業はアピール合戦?

【授業研究】コロナ騒ぎで大学も高校以下の学校も休校になり、それをカバーするためにオンライン授業などか盛んになっているようです。私は大学の授業の一部を後任の先生に引き継ぐ途中でこの騒ぎに巻き込まれてしまったので、自分がすでに持っているデータを利用してオンライン授業用にリメイクしています。

 学生は大学サーバーから音声付pptをダウンロードすると数学の練習問題の説明を聞くことができます。1題の説明が終わると「白紙のワークシートに答案を書きましょう」と指示が出ます。これを繰り返して4題の手書きの答案が完成したらそれを画像データにして大学サーバーに提出して終了です。早い学生なら30~40分。遅い学生でも60~70分程度でできます。

 実はこれ、私が大学で実際にやっていた授業そのものです。従って、最初にやる「復習小テスト」「その解答解説」「説明用ppt」「答案作成用ワークシート」は全て揃っています。あとはpptに声を録音するだけです。録音は1回では済みませんでしたが、1スライドごとに録音をし直すことができるのでそれほど面倒ではありません。その手順を後任の先生に伝授して私の役割は基本的に終了。

 ただ、打合せをZOOMでやっているうちに授業の進め方を質問されて答えていると「それは役立つ」「それは気を付けなくては」と喜んでもらえることが多くありました。後任の方は「小林さんのその授業の基本的な考え方や、言葉の使い方は大事ですね。学生を傷つけないようにするとか、この授業が仕事を始めてからどう役立つかを説明する方法は気が付きませんでした」と言い、それを資料化してくれています。「この授業の進め方がこのあとの担当者にも伝わるようにしますよ」とのこと。

 結局、この騒ぎで授業の質はかなり飛躍しました。オンライン授業の準備は整いました。5月から全部をオンライン授業に転換してもこの授業は学生の負担も少なく、担当の負担も少なく、一定の質も維持できると思います。対面型になっても今回作成した資料はそのまま使えます。私自身も説明スキルトレーニングになり、pptの色々な使い方に習熟することもできました。

 大事なことは「リアル授業」の質を上げることです。そこにつながるオンライン授業へのチャレンジが広がることを祈ります。色々なところから入ってくる情報は、先生たちの負担が増大し、生徒・学生の負担が増大し、時には「すごい授業を競い合う」雰囲気や、学校として「こんなにサービスしているぞアピール合戦」になっているような気がすることもあります。私たちの本務は「対面型(リアル)授業」です。その質を向上させるためのオンライン授業へのチャレンジにしたいものです。

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