茨城県に伺いました

【授業研究】茨城県高等学校教育研究会進路指導部研究協議大会の一部に出席して、「総合的な探究の時間」について私見を発表させていただきました。

 依頼を受けて調べてみて感じたことは3つ。1つは約20年前の「総合的な学習の時間」導入の時の混乱によく似ているということ。2つは「主体的・対話的で深い学びの実現」を標榜した授業改善を軸に考えるとこの問題解決は以前よりは理論的にすっきりしていること。3つはいつの間にか私は色々な事例に詳しくなっていたことです。

  約20年前に私はひょんなことから「総合的な学習の時間」としての「キャリア教育」のプログラム開発の担当者になりました。教科書がないことに当初は戸惑いましたが、仲間とともに取り組み始めると実に楽しいプログラム開発になりました。同僚、生徒たち、保護者とともに楽しく実践できました。

 この成功がもとになり、私は高校物理の授業改善のヒントを得ることになり、その後実践して成功しました。その授業成功の骨子は「内容目標と態度目標の二重構造」「プロセス調節をしてコンテンツの質を上げるという考え方」「活動中の振り返りと活動後の振り返りの二重構造にした介入スキルの開発」などが大きな要素でした。その考え方を「総合的な探究の時間」に敷衍することで20年前より論理的な一貫性を明確に理解できるようになりました。「社会に開かれた教育課程」「カリキュラムマネジメント」などもすっきりとつながります。

 更に探究科で有名な京都・堀川高校の授業改善に関わらせていただいたこと、神奈川大学・安彦忠彦先生に「習得」「活用」「探究」の理論的構造を教えていただいたこと、SSHやSGHの発表会などに何度も呼んでいただいたこと、都立町田高校の「探究の時間」の試行的な取組みを継続して見せていただいたことなどにより、現実的な導入方法の問題点や解決策も見出すことができました。

 それらを整理して約1時間の講義&質疑応答を行いました。たくさんの質問をいただきお役に立てたようです。私は原稿を作りながら、現場に戻って「総合的な探究の時間」のプログラム開発に取り組みたい気持ちになってきました。現場の皆さんが20年前の私たちのように、楽しみながら、負担軽減と効果倍増を実現して取り組んでほしいものです。

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