話し合いやグループワークさえあればAL型授業?

【授業研究】「AL型授業」=「アクティブラーニング(能動的学習)型授業」の定義は現象的・形式的な側面だけを取り上げています。したがって、極端なことを言えば、「話し合いがあればAL型授業」ですし、「グループワークや演習的活動があればAL型授業」です。「生徒の話し合いが雑談に終始していてもAL型授業」になりますし、「教科書などを読み上げるだけのペアワークでもAL型授業」です。
 そうなってくれば結果についても不安があります。「教科書が終わらなくてもAL型授業」ですし、「成績が降下してもAL型授業」です。こういう現象はすでに一部に存在しているので「AL型授業では成績が下がるので私はやらない」「AL型授業は教科書を終わらせないから駄目だ」と批判的な人たちもいます。
 私はとりあえず「できることからやってみる」のは賛成ですが、「話し合いさえ入れていればよい」的な考え方には反対です。少なくとも進度や成績は維持することが必要です。できることなら向上させたいものです。実際に私の高校物理では進度も早くなり、成績も向上しました。それだけではなく、生徒たちの満足度も学習する力も向上しましたし、リテラシーコンピテンシーも向上したと言えます。
 この違いを作り出すものは何か。私は「ファシリテーション・スキル」が大きな要素になると考えています。(この項続く)