トップを見捨てない

【授業研究】私は研修会講師として「適切なグループワーク」を組み込むことで、成績も上がるし、子どもたちの意欲も高まる、と力説してきました。しかし、問題の選び方や並べ方、解答解説などの資料の用意の仕方、ワーク中の観察と介入などの方法によっては、逆効果になることも指摘しています。

 そのことが新聞の記事にもなっています。中学校の事実としても裏付けられたという気がします。まず、ポジティブな結果としては、不登校や遅刻が減少したということです。更には授業中の「保健室への来室者減少」なども起きる可能性が高いと予想しています。記事に取り上げられている生徒の感想には以下のようなものも記事に紹介されています。

・「教えて『めっちゃ分かりやすい』と言われるとうれしい。

  学習のモチベーション維持につながっている」

 これは、成績上位の生徒が友達に教えることで、友だちが喜んでくれたり、おれいを言ってもらえる体験によって学習意欲が向上するということです。これも私は研修会で指摘していますが、警鐘を鳴らしているのは、「この経験は長続きしない」ということです。なぜなら、「おれいを言ってもらえてうれしい」だけでは、いずれ飽きるし、自分の学力向上に疑問が湧いてくるとこの授業に反発することも出てくるからです。記事では以下のような事実を紹介しています。

・「人に教えてもいいけれど、もっと自ら学ぶ時間がほしい」。成績上位のある生徒

  は、保護者にそう話したという。

・授業中は教えるばかり。本当はその時間で別の問題を解いてみたい。

  先生が「他の子に教えてあげて」と言うから、渋々やってはいるけれど…。

・「教えることも、教えられもせず、配布されたプリントを淡々と解くだけ。

  単なる自習のような状態になる場合もある」

 私はこれが起きる理由は、「課題が易しすぎる」ことに原因があると思っています。「自分一人ではたどりつけない結論に向かって歩くプロセス」を「対話」と理解している私は、「対話的な学び」を実現するために、子どもたちがひとりではできない課題(問題の質や制限時間)を出すことが不可欠だと思っています。

 特に、成績上位の子どもを見捨てないことです。そのために私は「トップの子どもでも簡単には解けない問題」も出します。すると、下位の生徒には解けません。そこで「解答解説を配布」し、「おしゃべり、質問、立ち歩き自由」のルールを設定しました。更に状況を観察しながら質問で介入するスキルも編み出し、磨きました。

 これらによって、2年生・3年生の2年間、ほぼ同じパターンを繰り返した授業ですが、居眠り皆無で成績が向上し続けました。満足度も高いので選択者数も増加し続けました。

 この中学校はグループワークには先生も生徒も慣れてきているのだと思います。そのメリットを生かしつつ、問題の出し方やワーク中の観察・介入の方法をブラッシュアップすれば、成績も向上し、子どもたちの学習意欲も向上するはずです。このあたりの授業者のスキルアップが今後の大きな課題だと感じています。

※元記事はこちら↓

headlines.yahoo.co.jp

hps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180328-00010009-nishinpc-soci&p=1

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