生徒指導?そうか!

【授業研究】出版社のFさんからのうれしい依頼のひとつは執筆でした。テーマは「生徒指導」。最初は「?」と違和感を感じた私でしたが‥Fさんの話を聞くうちに、大きな気づきがありました。

 今までの私は「授業改善」には「教育相談・カウンセリング」が必要だと主張してきました。これは間違いではないのですが、どうも最近はこの言い方が多くの先生たちには通じない気がしています。理由は「カウンセリング・ブーム」が消えてしまったためです。私が30代40代のころはたくさんあったカウンセリング系の学会や団体は消えてしまい、研修会も激減しました。以前は各都道府県におけるカウンセリング研修は悉皆研修も少なくありませんでした。現在もこれを実施しているところは少数です。

 それでも私は「教育相談・カウンセリング」という「言葉」にこだわっていたのかもしれないと気が付きました。多くの先生たちにとってはこれは特殊な言葉なので、「自分の仕事に関係ない」と感じる人が多い気がします。しかし、「生徒指導」は教師の誰でもがやっている仕事です。その定義は少々曖昧ですが「教師が児童生徒の発達のために関わる活動全部は生徒指導」という感じです。小学校の先生の活動も「生徒指導」と言います。こうとらえると「先生」のみんながやっている活動です。みんながやっているという点では「授業」と一緒です。

 これは重要なポイントです。越ケ谷高校授業研究委員会で組織的な授業改善運動に関わっていた時に気が付いたのは「授業」は教員の誰もが実践する活動であることでした。それだからこそ、教科科目を超えて改善運動を広げることができました。

 最近気が付いてきたことは授業改善を進めて行くと「授業者としての在り方」と「担任としての在り方」の矛盾が生じることです。これをどうするかを様々な言い方で説明してきました。これを「生徒指導」と言えばすっきりします。「部活動指導」との矛盾も「生徒指導」と捉えると包含できます。授業と同じで「生徒指導」をしていない教員はいないので、これは全員に理解できるテーマです。

 この気づきは私にとってはとても大きなことです。その意味でFさんからの執筆依頼はとてもうれしいことです。このテーマで書けば今までより論理的にすっきりと包括的な論理的展開ができそうです。しかも「何冊でも書いて欲しい」とまで言ってもらいました。何とうれしいことか。

 昨日も書きましたが、これも大学を退職しているから素直にうれしく感じます。大学の授業と研修会講師の合間に執筆をするのはとてつもなくハードでした。常に「もう少し書き直したい」と思いながら脱稿していました。今は時間に余裕があります。オンライン講座が増えて移動時間が減ったことで体力的な余裕も出てきました。ラッキーなことです。

 もうひとつのうれしさは、元々、私は「生徒指導部」の出身であることです。高校教諭として勤務した25年間のうち23年間は生徒指導部に所属していました。荒れる学校の生徒指導部主任も務めていました。その意味では最も詳しい分野が「生徒指導」ということもできます。その生徒指導のスキルとして「カウンセリング・教育相談」が役に立ったということです。千葉大学教授・保坂亨先生に教えてもらった「カウンセリングは丁寧なコミュニケーション」という言葉が役に立ちそうです。

 今すぐにでも書き出すことができます。どんどん書いていきます。どうぞ皆さま、お楽しみに。

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