オンライン授業&研修会に対する地域差

【授業研究】校内研修会や教育委員会・教育センター主催の研修会を引き受けています。コロナ騒ぎの中で、それらが中止・延期になったものが多いのですが、一方でオンラインに切り替える動きも多々あります。その中で気になり始めたのが、自治体や学校による違いの大きさです。

 私立学校に多いのですが何の問題もなくオンライン研修会に切り替える学校もあります。先生たちも全員が自宅にも職場にもPCを持っているので、休校中は色々な場所から参加してくれました。自宅から小さなお子さんを抱きながら参加した育児休暇中の先生もいました。この学校ではそんな光景も当たり前になっているようでした。

 一方で公立学校に多いのですが、貸与されているノートPCにはwebカメラがついていない学校はかなりあります。だから、とあきらめる学校もあります。それでも、とリテラシーの高い先生たちが動き回り、webカメラを購入設置したり、大画面に接続してそれを見ながら参加できるようにしたりする学校もあります。

 教育委員会や教育センターの研修会も機器がないからとあっさり中止したところもあれば、何とかオンラインでやりたいと模索中のところもあります。8月の実施に向けて細々としたところを詰め始めた研修会もあります。この研修会ではオンラインで数時間を予定しています。途中で昼休みもとります。担当の方と話していると、すでにいくつもオンライン研修会をやっているようです。慣れていることがわかります。

 この違いは子どもたちにとっても大きなものになりそうな気がしますが。何よりまずは先生たちの地域差・格差です。オンラインをあっさり諦めたところでは、緊急事態宣言が解除され日常が戻ると、「元に戻る」のではないかと思います。一方で、これを機会にオンライン研修会に積極的になるところも出てくると思われます。どちらの学校に勤務しているかで、先生たちの成長に大きな差が出てくる可能性があります。

 私は非常勤講師などで毎年のように勤務先を替える若い人には、「機器やシステムが整備されている学校を選べ」とアドバイスしています。意図的にこういう選び方をすると2~3年間で様々なシステムを体験してリテラシーが向上します。若い人はこれでよいと思うのですが、異動・転職できない先生たちはこの問題をどう乗り越えればよいのか私にはアイデアがありません。そもそも、こういう問題が起きていることにも気が付かないでいるのではないかと思います。

 「先生たちの成長」という視点で見直して欲しいものです。

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