某高校のSV(スーパーバイザー)終了

【授業研究】某高校のSV(スーパーバイザー)を4年間勤めてきました。3月で終了です。まとめの紀要に載せるための文章を提出しました。この学校には複雑な思いがあります。それは楽しい体験だったものの、やればできたかもしれない効果を上げられなかったという後悔です。

 基本的な後悔は進め方は学校の方法にお任せしたことです。当初の管理職はとても熱心に職員をリードしようとしてくれていました。個別に色々な先生を呼んで面接を設定したり、授業見学のスケジュールを作ってくれました。幹部の皆さんも仕事熱心です。休日返上で仕事にも取り組む方々です。

 そのころ私は現場の授業改善は「なかなかうまくいかない」と感じていました。イベントは盛んに開かれているのに現場は変わらないことに疑問が深まっていました。その理由が見えてきたのは2年ほど前。その後の研究で原因と解決策が見えてきたのは1年ほど前。それを昨年4月から3つの私立学校で試しました。いずれの学校でも「言われたとおりに指導する」方法から、「こうやりましょう!」と理論とビジョンを提案して進めました。これがうまくいきました。

 しかし、肝心の「某高校」にはこれができませんでした。コロナ禍で春夏の研修会はゼロになってしまったからです。ようやく復活したのは冬が近づいてからです。せっかくの新しい方法をお知らせできなかったという後悔があります。

 3つの学校と「某高校」の違いは「オンライン」のリテラシーの差でした。3つの私立学校はコロナ禍で私が行けなくっなた時に「なんとか授業改善の継続しなくては‥」と幹部やコアチームが奮闘しました。慣れないZoomにもたつきながらも何回もチャレンジして会議や研修会を設定しようとしました。事前視聴用動画は全員が見てくれました。何回も見てくれた方もいました。感想・質問の記入も急激に増加しました。オンライン手の授業見学やアドバイスの方法も試行錯誤してつくりあげました。現在ではこの3つの私立学校では軽々とオンラインで授業を見学し、アドバイスができます。残念なことに「某高校」では12月になってようやく「オンライン研修会」を初めて実施しました。

 ここからわかることは「オンライン授業・研修会」への意欲やリテラシーの差が学校や教育委員会単位でこれからの授業改善に大きな差が出てきそうなことです。たまたま昨日はオンラインで使えそうな「新しいツール」の説明を受けました。高性能の新ツールにワクワクしました。でも、こういうツールに反応する学校と、無関心な学校が思い浮かびます。

 コロナ禍を機に、ICTの整備・意欲・リテラシーの差が、学校間格差や教員格差や学力格差等々をとてつもなく大きなものにしてしまうのではないかと改めて感じています。私個人を振り返っても1年前とは使っているツールやソフトは激変しました。

 第3波はそろそろ落ち着くと思います。それを「元に戻る」と感じる方は多いのだと思います。しかし、ICTを利用した学び方や仕事の仕方は「元には戻らない」と思います。むしろ、ものすごい勢いで変化を進めています。「某高校」の皆さんにはそれを理解してほしいという思いを込めて最後の文章を提出しました。この私の思いが届くことを祈ります。 

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