オンライン研修会への移行の必要性と課題(1)

【授業研究】オンライン授業が広がるとともに学校や教育委員会・教育センター主催の教員向け研修会もオンラインに移行しつつあるのではないかと思います。私が関わるところでは私にすでにある程度のスキルがあるので、着々とオンライン研修会の打ち合わせが始まったり、すでに実施したりしています。その中で、①講師料、➁講師のスキル、➂研修会主催者が求めるべきこと、などの課題がありそうです。

 第1の課題は講師料です。ほとんどの機関でオンライン研修会実施の前例がなく、料金設定に戸惑っているようです。ある県教育委員会の担当の方はあっさり「本来の依頼通りの謝金を支払います」と言ってくれています。「交通費がなくなるのは県にとっては助かることなので、その分、講師料を値引いたりしません」とうれしいことを付け加えてくれました。

 別の研修会の打ち合わせでは私の担当部分の延長を検討しています。元々の私担当は講演部分だけでした。全体としては、講演の後にグループ別の研究協議、再び全体会に戻って発表や質疑応答の予定でした。Zoomに慣れている人がいないというので、「じゃあ、私が最後までやりますよ。往復時間を考えたら、それでも拘束時間は短くになりますから」と回答して現在準備中です。(Zoomはオンラインでグループワークができるというのが大きなメリットです) 

 すると「元々の依頼より多くのことをやっていただくことになりますから、講師料を増額してもらうように上に掛け合います」とうれしい話もいただきました。実現するかどうかは別にしてもありがたいことです。

 一方で「前例がないので講師料をどうするかは不明です」「上司に検討してもらっています」「理事会に打診しています」という声も多々あります。今、私は他の研修会講師の皆さんのためにも、オンライン研修会の講師料を対面で実施するのと同じレベルにになるように地固めをしたいと思っています。

 第2の課題は講師のスキルです。国が「新しい生活様式」の提案をしました。「レストランでは対面での食事を避ける」などには驚いています。しかし、そうせざるを得ないのでしょう。そうなると「研修会も集合研修や対面型のグループワークを避ける」などの提案も出てくるかもしれません。

 さらに進んで「研修会はなるべくオンラインで行う」になるかもしれません。そうなると講師側に「オンライン研修会を実践できるスキル」が求められることになります。PCやインターネット、Zoom等のソフトを使いこなすスキルは当然のこととして、オンラインでの「学習の質を高めるスキル」も問われることになります。逆に言えば、研修会を受ける側からの講師に対する要望も質の高いものが求められることになりそうです。[この項続く] 

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