授業者がつくる授業者同士で授業を語る場

【授業研究】「オンラインサロン」という言葉を初めて聞いた気がするのですが、何となく面白そうだったので説明会を覗きに行きました。無料でも電車に乗って移動するのは億劫なのですが、このご時世なのでどれもこれもZoom。気が楽です。

 参加してみると基本的には「オンラインサロンでどうやって稼ぐか」という内容でした。「その指導で稼ぐ会社」の宣伝講座でした。でも、参加した人たちはそれぞれやりたいことがあって、仲間を集めたり、自分の作品や技術を興味のある人に買って欲しいと考えていたりしました。「金儲け」にギラギラしているというより、純粋な気持ちが強い気がしました。

 その人たちは次のようなことを話していました。
「自分の作品を展示するには会場費がかかる」
「宣伝活動すると手間暇かかるので作品制作ができない」
「自分と同じ興味を持つ人は少ない。オンラインなら見つかりそう」
「HPを作ってもらうとお金がかかる」
楽天みたいなサイトに入ると手数料が膨大で赤字になる」

 それらを聞きながら、私自身の想いに気が付きました。高校教諭を定年退職してから多くのイベントに参加させてもらいました。それらにずーっと付きまとう違和感がありました。それは参加する先生たちのハイテンションと主催する人たちに「授業者がいない」ことです。

 先生たちのハイテンションは「授業について語り合う仲間がいない」ことの反動なのだろうと最近になってようやく理解できるようになりました。私は現場で勤務校の仲間と充分に語り合っていましたし、多くの人たちが私の授業を見に来てくれて語りあっていたので満足していました。

 「主催者に授業者はいない」はとても不思議でした。自分で授業をやったことがない人が「授業者のためになるイベント」をなぜ企画できるのかが不明でした。しばらくするとその意図は何らかの形で自分の会社の利益につなげることであることがわかりました。大きな会社は「参加費無料」で、小さな会社は「少しの参加費」です。大学も営利団体ですから同様です。その結果、本当に授業についてゆっくり語り合う場はあまりつくられない気がしました。でも、これらの会社や大学がいないと授業者の誰かがこんなイベントを開催することは時間的にも経済的にも不可能でした。

 しかし、「オンラインサロン」の考え方ならそれほど手間暇かけずにできそうです。参加する人たちも交通費宿泊費も移動時間も不要です。すでに私は色々な人に声をかけて「Zoomで遊びませんか?」と呼びかけて「雑談会」をしています。この輪を広げていけば「授業者がつくる、授業者のための、授業について語り合う場」をそれほどの労力をかけなくてもできそうな気がします。

 その雑談の中できちんとした「勉強会」が生まれるのも良いと思います。すでに雑談の中でも「小林さんの講義やオンライン・アクションラーニング・セッションや質問会(個別相談)ならお金出します。交通費も宿泊費もいらないのですから」と遠方の方からの意見もいくつも聞かせてもらっています。

 授業改善に対する私の考え方はユニーク過ぎるかもしれません。あまりメジャーに、爆発的に広がるものではないのかもしれません。「小林方式」などの言い方を拒否し続けるこだわりが問題なのかもしれません。でも、私は同調してくれる授業者だけとつながれば十分満足なのです。大学を退職して組織にとらわれない強みと、コロナ騒ぎで社会の基本が"New normal"に転換しようとするこの時期に、ぼちぼち動き出そうと思います。協力してくれる人、興味のある方は声をかけてください。

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