問題の構造

【授業研究】
[かなり以前の下書きを推敲してアップします。私の覚書です。
 わかりにくいところもあると思います。ご容赦ください]

 来年(2023/2/2)の「全国中高一貫教育研究大会」の講義のテーマ提出のために、たくさんのテーマ案を書き出し、読み直し、考えています。この作業はアタマを整理するのに役立ちます。その結果、わかってきたことがあります。

 「科学と技術」という視点があります。「科学」は「対象→認識」に向かいます。要するに対象の構造に分け入り、その本質を把握するプロセスです。一方、「技術」は「認識→対象」というプロセスです。「科学」のプロセスで把握した対象の「本質-構造-具体」を基に、対象に働きかけ変化させていくプロセスです。科学史的にはおおむね科学的な研究が進んでから、技術開発が行われます。時には技術開発で現れた現象が科学の体系を揺さぶることもあります。

 この視点に立つと「授業研究」は未だ「本質把握」ができていないと感じます。その理由は「授業一般(本質)」という対象の確定すら行われていないからです。校種・教科・地域・学校・学年等で分断されているからです。更に、「技術開発」を目的にしていない感じもします。私が学んだ理論物理では研究者の興味は技術にないことはしばしばですが、大発見はいずれ技術開発につながっていきます。社会がそれを求めているからです。しかし、授業はなぜか、その方向に進んでいないようです。まあ、その理由はおおむね社会学が解決してくれてはいますが‥。

 その結果、「授業研究」は「本質把握」もできていないし、「技術開発」もできていない、というのが「科学史的視点」からの解釈です。その視点に立つと、私が最近取り組んでいるのはいわば「技術開発」です。その構造が見えてきたら、もう1つの視点が浮上してきました。それは「キャリア発達理論」の視点です。「学習する組織理論(ビーター・センゲ)」的に言えば「自己マスタリー」の視点です。

 たぶんこの2つの側面が授業研究の本質的な壁です。‥‥ということが見えてきました。ぼちぼち、テーマの確定です。

 ‥‥以上の文章をブログの「下書き」に入れたままでした。すでに「テーマ、サブテーマ、その解説」は事務局に提出しました。講義動画を使いたいという依頼もしました。それらの内容等については、明日以降にアップします。