考えが急速に深まります

【授業研究】来年の講演会のテーマ提出の時期と、少し前に伺った某大学卒業生で教師の皆さんの学習会の機関誌の原稿提出の時期が重なりました。当初は、当日の出来事などについて書こうと思っていました。しかし、〈現場の先生たち向け〉という点では同じなので、同じテーマで書くことにしました。

 内容は学校現場の問題点を、新しい視点て構造化しようとする試みです。行きついたのは「具体と抽象の欠如」です。2つの視点があります。

 第1は、授業改善の問題の1つは「具体性の欠如」だということです。授業を見たり、振り返ったり、良い点や不足点を話し合うという「研究授業と研究協議」はそれなりに行われています。しかし、その結論には「具体性が欠如」しています。例えば、「では、明日、この授業者は何をやれば、よりよい授業を作れるのか」が「ない」ということです。

 具体性が欠落する理由は「抽象の欠如」です。「授業とは何か」という本質把握ができていないからです。これは研究者の責任とは言い難いところがあります。現実の授業は「校種・教科・科目・地域」などで「分断されている」からです。全体を包括して「抽象化する=一般論を構築する=本質を把握する」ことが困難な構造だからです。

 もう1つ、同様の構造が「先生たちの仕事の特殊性を具体的に把握していない」ことにあります。モノづくり的な単純労働や、お役所のモノの管理的な仕事では、「仕事そのものに対する人格的交流は希薄」です。銀行やデパート等の窓口関係はお客との交流があります。これが「感情労働」として問題視されることもあります。教師の仕事はそれ以上です。生徒や保護者と「生き方」を媒介して交流します。いわば「人格労働」です。

 「感情労働」の問題が激化した分野では、このことを、〈具体的〉に取り上げて「心理学の知見」に基づいて解決を図っています。心理学にはそれなりに〈本質把握〉ができているから、〈具体的な解決策〉が出せるということです。「人格労働」を解決する指針は何か?私は「キャリア発達理論」にあると思っています。その最新理論が「ライフ・シフト理論」です。

 わかりにくくてすみません。私の研究メモです。いずれ、わかりやすく解説できると思います。