講師依頼が研究の進展につながる

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【授業研究】ありがたいことに来年度の講師依頼を少しずついただいています。その中で偶々、2か所から似たような依頼があり、考える機会になりました。
 依頼の内容は「初任者対象の研修会」「ミドルリーダー対象の研修会」です。気が付いたのはこの2つは「異なるテーマ」として設定されていることです。ついでに言えば、この先に今回の依頼にはありませんが「管理職向けの研修会」もあります。

 この3つの研修テーマの中に「教科授業」という項目は普通入っていません。一昨年度の某社からの依頼には「2年目に担任なる人が多いので、1年目に担任になる力を身に付けて欲しいのですけどね‥」という内容が入っていました。そこで私は「教科授業のスキル」を「担任スキル」につなげられるように「鍛えなくてはならない」と主張しました。偶々「基本スキル・基本パターン」という発想を得ていた時でした。

 この私の意見を担当の方が喜んでくれたので早速にこれを取り入れました。これは初任者の皆さんに好評でした。多くの皆さんは「授業者スキル」と「担任スキル」は別物ととらえていたようなので、「授業の腕を上げることが担任になる準備になるとわかって前向きになった」などの感想が続出しました。

 また、今年度、某県の校長先生向けの研修会でも「教科授業」をテーマの1つに取り上げました。それは校長として全教科科目の授業を見なくてはならないのだけど、「自分の専門以外の教科を見て指導するのは冷や汗」という悩みが打合せの段階で出ていたからです。そこで私は初任者にも教えていた「基本スキル・基本パターン」を基にすればよいことを教えました。
 この「基本スキル・基本パターン」は「何を教えるか」というコンテンツ(学習内容)よりもプロセス(生徒の学び方・教師の授業の進め方)に重点を置いているので、「どの教科にもほぼ共通している」からです。

 要するに私は「初任者研修」「管理職研修」にも「教科授業」を取り入れました。教科授業に必要なスキルを「担任スキルにつなげる」「管理職としての指導スキルにつなげる」という視点で指導していたということです。この視点に立つと「ミドルリーダー対象」の「授業者スキル」に関する課題設定は簡単です。「実践者として授業者スキルを高めつつ、指導者スキルも高める」ことになります。
 しかも、このプロセスはすでに「技術論・上達論」の視点からほぼ解明してあります。技術論・上達論を基にして「授業者スキル」や「教師スキル」を説明できるところまで来たのは、2~3年前からです。そのタイミングで、その成果を活用できる講師依頼をいただいていることになります。ありがたいことです。来年度に向けての楽しみが膨らみます。