メンバーのリソースを引き出す

【授業研究】40名程度で毎月オンラインで行っているGCS(グループ・コンサルティング・サービス)の全体会では、事前視聴用の講義動画を見てもらい、スプレッドシートに感想・質問等を書いてもらいます。今回のテーマはユニバーサル・デザインとインクルーシブ教育。あまり参加者にはなじみのないテーマです。

 私は事前に書き込まれたコメントを見て、簡単な質問にはシート上にコメントを書き込み、当日、答えた方がよさそうな質問やコメントにはシートのセルに目印をつけておきます。その中のコメントの一つにこのテーマに詳しそうな人=Aさんを見つけました。そこでセル内に「当日、あなたが知っていることを皆さんに教えてくださいね」とコメントを入れました。

 当日、私の解説を始めるときには、冒頭でAさんに呼びかけて、「私の解説の後でAさんが学んだことを話してもらいますね。用意しておいてくださいね」と前振り。そしてAさんが話し出すと実に具体的。私の講義よりも身近な問題を掘り下げてくれました。事後のアンケートでも好評。「Aさんの話が良かった」「Aさんの話をもっと聞きたい」がたくさん。

 私はこの現象にファシリテーターとして大満足。リーダーの中には自分より詳しいメンバーがいると嫌がる人がいます。マウント争いになる事もあります。これを見るとメンバーは自由に発言しなくなります。そうなるとグループのリソースを発見しにくくなり、場の活力や可能性が小さくなります。Aさんの書き込みのひと言を見逃さなくてよかったと思いました。当たり前のことですが、リフレクションカードなどのコメントを丁寧に読むのは大事です。Aさんを中心に特別講座でも開こうかと考え中です。