ようやく‥

【授業研究】毎月、月刊誌の連載原稿や講義動画を作成するために調べたり考えたりします。全てが新しいわけではなく、共通する理論を何度も解説することもあります。その1つが「PDCAサイクル」と「コルブの学習サイクル」です。

 昨日(9/9)は「主体的な学びの態度の評価」について講義するために改めて資料を確認していました。その中にもPDCAが出てきます。以下のように説明してあります

 Plan(指導計画等の作成)→Do(指導計画を踏まえた教育の実施)→Check(生徒の学習状況,指導計画等の評価)→Action(授業や指導計画等の改善)

 これを読むと「教師の意識の対象」は「指導計画(書)」「教育の実施(記録)」「生徒の学習状況(記録?)」「指導計画等の評価(計画書の見直し?)」「授業や指導計画書等の改善(書き直し?)」と、「先生たちの意識の対象」が「計画書(紙)」「生徒の様子(他者)」ばかりに向かっているように見えます。わずかに「教育の実施」はそれらとは異なる気がしますが、たぶん「予定通りに進んだか」「グループワークを実施できたか」などの評価のことを指しているように見えます。多くの場合、具体的活動の際の意識の対象は「モノ(紙)」や「相手(生徒の活動や結果を記録した紙)」に向かっているようです。

 これに対して「コルブの学習サイクル」の「意識の対象」は「自分自身」です。教師は「自分自身が何をやり、何を感じ、何を気づき、次はどうするのか」を意識することです。生徒も同様です。その意識の対象に「モノ」はあまり重要ではありません。

 工場でのモノづくりなら「生産数」「欠品率」などが大事な指標ですから意識がモノに向かっていて良い気がしますが、「授業」はそうではない気がします。特に私の「基本スキル・基本パターン」のように「技」を意識すると、この違いは顕著になります。技の本質は「意識の集中」なので、自らの「意識」を見つめることが必要です。生徒の活動も「学習目標(内容目標・態度目標)」に沿って「意識」をさせることが大事であり、生徒自身が自分の意識を「振り返る」ことが主体的な学びにつながります。

 要するに、PDCAサイクルは意識が「対象(相手・モノ)」に向かいがちで、「コルブの学習サイクル」は意識が「自分自身」に向かう、ことが本質的な違いだと言えそうです。私にとっては大きな気づきです。「技(スキル)」を前面に打ち出したことも大きな力になりました。スッキリしてきました。