NITSと国研の資料の違い

【授業研究】次の動画講義のテーマは「学習評価」。特に「主体的に学びに取り組む態度」についての解説です。このテーマは小中学校が先行したおかげで私は3年前にこのテーマでの講義を依頼されて、何カ所かで講義をしてきました。「ハンドブック」は「小・中学校編」も「高等学校編」もほとんど同じなので、気楽に資料の編集を始めました。

 ところが一部で以前の私が使っていた資料と「ハンドブック」の記載が異なっています。なぜ?とウロウロ。かなり時間をかけて調べていてようやく気が付きました。
   以前の講義の時に私は「ハンドブック」とともにNITS(NITS 独立行政法人教職員支援機構)の「動画教材」も参照していました。そこで動画講義用のpptはNITSの「動画教材」の動画に付属しているpdfを利用していたのでした。どちらも同じものだと思っていたのですが、一部異なっていました。まあ、大半はさほど問題はないのですが、この部分は大きな違いです。
 ハンドブックのp-5に対応するNITSの「動画教材(*1)」では標記の「評価に戸惑う生徒の声」の下に「他にも‥」〈見直すべき視点〉として2項目が表示されているのですが、これが「ハンドブック」では削除されています。しかし、私はこの2つはとても大事な指摘だと感じます。

・評価の結果が生徒の具体的な学習改善につながっていない
・教師が評価のための「記録」に労力を割かれて,指導に注力できない

 上段は「大学入試」などを目指す際の点数に示される「学力向上」につながらない生徒の学びの態度を課題に評価してはいけないという指摘のように見えます。下段は記録に時間がかかり過ぎて肝腎な授業等の指導に注力できないのは本末転倒だという指摘です。「働き方改革」や「教育の質低下」「教員の指導力低下」に関わる重要な指摘です。 
 それにも関わらず、「NITS=独立行政法人教職員支援機構」が指摘したことを、「文部科学省国立教育政策研究所」は削除した、と捉えることもできます。

 私はNITSの資料に基づいた「動画講義」を作成します。(笑)

(*1)「新学習指導要領に対応した学習評価(小・中学校編):新学習指導要領編 No33」
 及び「新学習指導要領に対応した学習評価(高等学校編):新学習指導要領編 No34」の関連資料。

新学習指導要領に対応した学習評価(小・中学校編):新学習指導要領編 No33|NITS 独立行政法人教職員支援機構

新学習指導要領に対応した学習評価(高等学校編):新学習指導要領編 No34|NITS 独立行政法人教職員支援機構