授業改善指導の場はようやくできた?

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【授業研究】最近は毎日のように色々な学校の先生たちの「生の授業(=普段の授業=研究授業などの特別な授業ではない)」を見せてもらい、そのあとにフォローアップの面接指導をしています。対象は主に小・中・高校。全教科です。

 背景には遠隔地の授業を簡単に見ることができるようになったことがあります。昨年編み出したZoomに接続した複数台のPC(orタブレット)を教室に置いてみる方法は、比較的簡単に準備ができ、教室には授業者以外は不在になり、録画を共有できる等々の利点があります。

 このおかげで毎日たくさんの授業を見ます。そのフォローアップもZoomを使うので、空き時間や放課後を利用して簡単に行います。従って、同じ先生の授業を続けて見ることも簡単になってきました。これでようやく授業改善の具体的な指導方法を研究する第1歩が整ったという気がします。

 私の空手の恩師は「指導者は自分一人では指導者になれない」とよく言っていました。「指導する相手が必要だ」ということです。空手はその相手がいれば、その場で「やってみろ」と言って、基本でも型でもやらせてみればすぐに技の良し悪しがわかります。いくつかアドバイスして翌週にでもまた見てやれば「良くなった」「まだ駄目だ」などの指導ができます。

 これに比べると「授業者の指導」をするのはかなり難しいことです。「授業をやれ」と言ってもその人ひとりではできないからです。更に主に教室で行われるのが授業ですから指導する人は教室に出かける必要があります。これは同じ校内にいてもそう簡単ではありません。自分の授業もあるし、他の仕事も抱えていますから、1時間誰かの授業を見続けるのは困難です。これが他校、他県となるとほとんど不可能です。他県の人の授業を継続指導できるわけがないのが現実でした。

 前段で述べた方法はそれらを解決できる方法です。これは「ようやく授業改善指導の場ができた」ということなのだと感じます。35歳で教員になった私はここで「自分自身の授業改善の場」を持つことができました。そして55歳の時(2007年)に自分の物理授業の大改革に取り組んで成果をあげました。現場があったおかげです。

 それから14年たった現在(2021年)、ようやく「授業改善指導の現場」を持つことができたようです。55歳の時の経験を私は昆虫記で有名なファーブルとつなげていました。彼が本格的に昆虫観察をするための満足のいくフィールドを得たのは56歳の時だからです。当時も今も私が授業改善を「55歳で始めたのは凄い」と言ってもらうことは多いのですが、それほどのことでもないということです。ファーブルは91歳でなくなるまで研究し続けていたようです。もうすぐ69歳になる私ですが、時代の違いを考えると私にはまだまだ時間があります。ようやく研究の場ができたのですから、これから本格的な研究を積み重ねたいものです。

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