ようやくできる「組織的授業改善」支援

【授業研究】昨日(2020/11/26)の「ビジネス理論がヒントに」の記事をアップした後に思い出しました。それは、これは7年ほど前に考えていたことだ!ということです。

 高校教諭を定年退職した直後の2013年の5月ごろに埼玉県の私立高校の校長先生から直接電話をいただきました。雑誌で私の記事を見て電話をしてくれました。依頼の内容は「学校全体の授業改善をしたい」でした。ありがたい話でした。

 もう1つうれしかったのは「色々な講師を何回も呼ぶ手もあるが、私は小林さんに任せたい。ずーっとやってくれないか」と言われたことでした。「期限がないのは良くない」というのはカウンセリングの学習で叩きこまれていたことだったので、「1年間にしましょう」ということにしました。

 この改善はとてもうまく行きました。学校全体の授業が見違えるように変化しました。偶々、この年の年末に新学習指導要領に「アクティブ・ラーニング」の言葉が突然出てきました。その翌日の面白いエピソードがあります。

 翌朝NHKがこの高校に「今日、取材したいがよいか?」と問い合わせて「どうぞ」と返事。昼近くに到着したクルーが「どこを取材すればよいか?」と尋ねると「どこでもお好きなところを撮影してください」と管理職。その日の夕方のニュースで放映されました。それくらいに学校が自信を持つ変化が半年程度で実現したということです。生徒募集にも効果がでました。この体験に私はかなり自信を持ちました。こうやって学校を変えていくことができると楽しいと感じていました。

 しかし、その後はうまく行きませんでした。翌年度から大学に勤務して、その傍ら全国の学校に呼ばれて講義をしたり、ワークショップをしたり、生徒向け授業をしたりしました。しかし、この埼玉県の私立高校ほどの成果はあがりませんでした。今になって思うと、私には「組織的授業改善」の理論も手法もありませんでした。単に「個人的な授業改善」の中身を話していただけでした。

 ではなぜこの高校で成功したか。何より管理職のリーダーシップの素晴らしさです。管理職だけでなくコアチームの皆さんが努力し、それに先生たちが巻き込まれていました。それを「私の力」と感じていたのは今思い出すと恥ずかしい限りです。

 昨日の記事は、その時出来なかったことがようやくできる段階が来たということです。授業改善の理論も整理できたし、組織的な動き方も整いました。更に今回の目玉は異なる地域の学校同士をつなげるというアイデアです。このことで様々なメリットが生まれることがわかりました。これはビジネス理論が指摘している通りでした。

 要するに、思い出してみると私は何年間も「組織的授業改善」を追求してきたということです。大学に勤務している時にはこれがなかなかできませんでした。退職して今年度から本格的に挑戦しました。呼応してくれた学校があったこと、出版社が連載や単行本などの研究の場を与えてくれたことなど、ありがたい支援がたくさんありました。その結果がようやく形になりそうなのが来年度ということです。

 やりたかったことがようやくできそうです。来年度はとてつもなく忙しくなりそうです。今年の3月4月の「研修会がほとんどキャンセルになった時期」とは大きく異なる生活になりそうです。ワクワクしています。

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