「学び直し」=「生産性資産を更新する」再考

f:id:a2011:20210611060108p:plain

【授業研究】「学び直し・生産性・生産性資産(2021/6/5)」の記事を書いたあと「小林さんはいつも新しいことにチャレンジしていてすごい」などのコメントをいただき喜んでいます。しかし、「なぜ、できたのか?」と自問自答していくと少し面白い見方ができそうです。

 私が「生産性資産」を更新し続けているように見えるのは、キャリア形成に起因している気がしてきました。第1は転校が多かったことです。穏やかな学校、成績の良い学校、田舎の荒れた学校、成績の悪い学校、嫌がらせのある学校‥などの小学校・中学校・高校を経験したことは変化を当たり前のこととしてとらえる基になった気がします。

 大学で物理学科に入ってからも空手に夢中になり、空手の専門家の道を歩き、その後、高校教師になりました。高校も「荒れる学校」「スポーツに強い学校」「先生たちのやる気のない学校」「自由な雰囲気の進学校」などを経験しました。仕事を通して「カウンセリング」を学んだり、「キャリア発達理論とキャリア教育」を学んだりしました。

 案外大きかったのは学習指導要領です。「生きる力」について色々な場所で高名な方から直接お話を伺えたことが教師としての仕事に強い興味を持つことになりました。いわゆる「ゆとり教育」の理念に賛成しつつも、それを物理で実現できないことにもどかしさを感じていました。「言語活動の充実」「思考力・判断力・表現力の育成」は授業改善のヒントになりました。そこで編み出した「高校物理授業」が成功して、定年退職→大学教授の大転換となり、更に大学退職・コロナ禍・オンライン研修会への転換などへの対応が自分の仕事を大きく変えました。学校のオンライン授業、GIGAスクール構想なども学びを支えてくれました。ここまでは「生産性資産」の更新、「変身資産」を鍛えることができた背景です。

 私の「活力資産」は遺伝的に恵まれていたと思います。スポーツ万能の父ほどではないものの、丈夫な身体を受け継げたことは幸運でした。

 こうして振り返ると、文科省が10年ごとに学習指導要領を書き換え、その都度新しいことを出してくることは、教師にとっては実に良い学びの契機になっていると感じます。このことに反対する人、学習指導要領を無視する人も多々います。まあ、突っ込みどころ満載とも言えなくはないですが、「学び直し」を継続できると考えると、そう悪くもない気がします。少なくとも私は文科の方針に沿ってたくさんの新しいことを学べたと感じています。

※昨年秋から継続しているオンライン連続講座の案内は以下です。
◎「みんなのオンライン職員室」はこちら→ https://minnano.online/
◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)」は
  こちら→https://www.amazon.co.jp/dp/4382057744/