【授業研究】最近、昔から教員の仕事の一部としてやっていたことが「お金をもらえる仕事」になっていることに気が付きます。2つのことがあるのですが、まずは1つ目から。
私は35歳で教員になってすぐに教育相談(カウンセリング)の勉強をかじり始めました。本格的には40歳の時に上智大学カウンセリング研究所に通い始めた時からになります。当初、1対1のカウンセリングを学び、途中から並行してグループの理論やスキルも学びました。このころから「振り返り・気づき」の重要性を理解し始めました。
しばらくして転勤した学校では「総合的な学習の時間」として「キャリア教育」が始まるときでした。なぜか私は学年のプログラム開発担当になっていました。「キャリア教育」の意味もしらないのに‥です。泥縄式の勉強の結果、自分が勉強してきたグループワークが役立つことがわかり、これを組込むことにしました。
しかし、担任の先生たちはそんなことは知らないので戸惑います。そこで各担任が簡単に指導できるように、「ワークシートによるグループワーク」をメインにしました。これはうまく行きました。特に効果的だったのが「振り返りと気づき」を引き起こすしかけでした。生徒たちの「深い学び」が促進されることがわかりましたし、教師の立場からの生徒理解にも役立ちました。
当時発売されたばかりの進路適性検査を生徒たちか読み解くためにもこの「ワークシートによるグループワーク」が役立ちました。このワークシートはのちにこの会社が買い取ってくれて商品化されました。私はこのことに自信を得て、後々始めた物理授業の仕組みの中にも「振り返りと気づき」を引き起こすための「リフレクションカード」を組込みました。当時(2007年)はこの言葉すらほとんど使われていませんでした。
その私が最近、いくつかの会社と関わって依頼をされている仕事の中では、この「振り返りのためのワークシート」のデザインをリクエストされます。多くの場合先方は大まかなアイデアをお持ちです。しかし、このことについてはたくさんの経験をしてきた私から見ると、「それは無理」と判断できます。それを説明すると「やってください」という話になります。それは得意分野なので引き受けます。その仕事にかなりの金額を提示してもらいます。これは実に楽しいことです。
「ライフ・シフト」の視点から言えば、私は今通用する「生産性資産」を20年~30年前から磨き蓄積していたことになります。しかも、色々な理論を学びつつ、これらを「更新してきた」ことになります。まぐれではあるのですが、時代が進むほど高く評価されるというのはうれしいことです。明日はもう一つの話をします。
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