ファシリテーションと講義(2)

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【授業研究】昨日(2021/5/23)の続きです。オンラインで様々なことをやり続けているので、「質疑応答」「ファシリテーション」「講義」についての感覚が変わってきました。前の2つについては昨日述べました。今日は第3の「講義」についてです。

 一方的に説明をすることについては若いころから多くの機会を得ていました。空手のプロとして活動し始めてからは毎週のように大学生を相手に理論的な講義をしていました。合宿の時には1泊2日で10時間以上の講義もしていました。その際、ほぼ全てはレジュメ的な原稿を書いていました。当時は原稿用紙に万年筆で書いていました。

 高校の教員になってからは生徒指導部主任や学年主任等の立場で300~1000人の生徒の前でも講義をしていました。この時に「今日話すのは3つ。1番目は‥」とナンバリングとラベリングを実践し、「〇分間話します」と宣言しストップウォッチを使って計測していました。この力が高校物理授業を大改革した時に「きっちり15分間の説明」を継続できた基盤です。その授業を毎日、6年間続けました。これらの積み重ねで、講演会、パネルディスカッションなどで多くの人たちの前で話す際には、きっちりと時間通りに話せるようになりました。

 ある程度の自信はあるものの、オンラインで講義をするのは参加する人たちの学びを阻害すると強く感じているので、最近はほとんどオンラインでの講義はしません。事前視聴用動画ばかりです。その結果、対面研修でも「講義」の時間が無駄な気がしてきました。そこで最近は対面研修でも事前視聴用動画を作成しています。

 更に変化したのが、それでも「オンラインでの講義」を要請される場合です。私以外の登壇者もあるような場合に「〇分間で講義してください」と依頼されます。これに自信がなくなってきました。そこで最近は、そういう場合にも、事前に動画を作成して、その場で動画を流して視聴してもらうようにしています。最近は、そのことのメリットを感じます。

1 時間は確実に守ることができる。
   通信障害や機器のトラブルがない限り、
   流し始めた動画は時間通りに終わります。
2 安心して参加者ととともに聞いていることができる。
3 Zoomのギャラリービューなどでは聞いている参加者の様子を観察できる。
4 何回かは修正をかけた動画なので、言い間違いや無駄な発声もない。
5 多くの場合、参加者の動画・ppt・レジュメpdfも渡しているので、
  参加者にとってもあとで視聴し直すなどのメリットがある。

 尚、例えば10分間の動画の音声を入れて気に入らないときに、また10分間分を吹き込み直しているわけではありません。pptの録音はスライド単位なので、言い間違い・気に入らない説明・時間が長い等の問題のあるスライドだけを録音し直すので、それほど時間はかかりません。[この項終わり]

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