「講義を聴くのが目的だった」

【授業研究】最近の私の研修会講師の仕事は半分以上がオンラインになってきました。そのオンラインで鍛えた方法は対面型の研修会でも使えます。

 少し先に初めて伺う公立学校と
メール・電話・Zoomで打ち合わせをしました。
「組織的な授業改善を始めたい」
「すでに取り組んでいる教員もいる」
「リードする組織は存在しない」
「今年度中には動き出したい」‥
などの状況を聞いて、私は以下の手順を提案しました。

・今回は全体研修会とコアチームの打ちあわせをする。
・それまでのコアチームのメンバーを選出して欲しい。
・当日は全体会1時間、コアチームとの打合せ1時間にする。
・それより前に学校に行き「普段の授業」を1~2コマ見学する。

 こうなると問題は1時間に短縮した全体会の持ち方です。
ここでオンライン研修会で使い始めたテクニックが使えます。
約20分間の「事前視聴用動画」を事前に送り、
当日までの間に視聴し、
感想・質問をスプレッドシートに記入してもらい、
当日は「質疑応答」を中心にすることにしました。
「リフレクション」も終了後に
スプレッドシートに記入してもらうことにしました。
ここで新たに出てきた質問には、
「回答動画」で回答します。

 これに伴う動画作成等の作業はいささか面倒ですが、
だいぶ慣れてきたので私にとっては
さほどの負担できなくなってきました。

その「事前視聴用動画」等をお送りすると
校長先生からすぐに返事をいただきました。
それはとてもうれしいものでした。

「本校での過去の講師招請の研修と異なり、
研修の在り方が問い直されていると感じております」

この「研修の在り方」が問い直されている、
にどきりとします。
その内容がいかに示されます。

「既存の研修は、
結果的には講義を聞く事が目的になってしまい、
各自で活用していきましょうで、
終わってしまう傾向がありました。
目的はその内容を活かすことにあり、
その目的を達成するための
手段を構築した上での研修講義であるべき、
という原点に立ち戻らせていただいた感があります」

実にうれしい分析です。
先生たちが「講義を聴くことを目的化」していたのと同様に、
講師側も「講義をすることを目的化」
している部分もあったかもしれません。
講義はそれなりに大変ですし、
注目してもらえることは楽しいことだからです。
「承認欲求」が満たされます。
講師がこの楽しみを捨てることも求められている気がします。

私は高校物理授業改善を進めた時に、
「延々講義をして生徒に注目される」
「初見の入試問題をスラスラ板書して解いて見せる」
などの楽しみをやめました。
それよりも生徒の「主体的・対話的な学び」を見る方が、
楽しかったし、成績も向上するからでした。
この経験が研修会であっさり「講義をやめる」ことに、
つながっています。

オンラインが研修会が広がり、講師のスキルも向上することで、
校内研修会の質が向上する、授業改善も進む‥となりたいものです。

 

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