高校・大学の授業と同じように‥

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【授業研究】大学で仕事を始めた時には色々と戸惑いました。高校では物理を教えていましたが、大学では「ビジネス・リーダー養成」を狙いとしたいくつかの授業をメインに担当しました。「アクティブラーニングをやれ」というわけのわからない大学の指示でしたが、ほとんどそんなことをやっている先生はいないので、何か珍しいことをやっていれば良かったのはありがたいことでした。

 それで色々なことに挑戦していたのですが、コツがわかってくると、私がほとんど講義をしなくても学生の学びは深まることがわかってきました。学生の満足度も上がりました。似たようなことがオンライン研修会でも起きてきました。昨日のオンライン研修会は中高一貫校。何年も関わってきたのでお互いに慣れてきています。

 昨年の春以降、オンライン研修会が始まってからは「同期学習・非同期学習」の構造化を狙い続けていました。そのために「事前視聴用動画」を作成して視聴してもらい、スフレッドシートに感想・質問を書いてもらい、それにコメントを書くまでが非同期学習。同期学習では講義なしで質疑応答のみ。グループワークは「質問の共有」のために10~15分間程度でした。その後の非同期学習は「感想・気づき」をスプレッドシトーに書いてもらうことでした。約1年間この形式を続けてきたので、オンライン研修会はこの形式で決まりかなと感じ始めました。

 ところが今回のリクエストに困りました。「生徒の読解力を向上させる」ことを目標に全教員の意識を高めたい、というリクエスト。研修時間は1時間。ウーム‥いつもの形式でやれば1時間で質疑応答は持つとしても、全員が発言できるとは言い難い‥。迷いつつけているうちに1週間を切り、事前視聴用動画も出せなくなってしまいました。(遅くとも1週間前に出さないと皆さんが視聴するのが困難になります)

 で、考えたのが長時間のグループワーク。4~5人のグループにして、話し合いの順番を丁寧に作成しました。その順番で話し合いができるようにjambordを用意しました。各グループに4枚のjambordを用意して、話し合いの段階ごとに次のページに移動しながら進むように設定しました。ワークの時間は約30分間。メインルームに戻ってきて各グループの発表に約15分間。私が少し情報提供をして終了しました。

 途中ではマイク・カメラをオフにして各グループを回ってワークの様子をのぞいたり、jambordの書き込み具合を眺めていました。これらの方法で各グループの様子はとてもよくわかります。小中高校の生徒たちなら「さほっていたらすぐにわかる」ということです。事後の振り返りも満足度の高いものでした。

 高校では旧課程の「物理Ⅰ」「物理Ⅱ」を大改革した後で「物理演習」を変えました。大学の授業でも様々なワークの方法を編み出して、ワークの時間を長くて行きました。今、それと同じことが起きています。一旦は「この形なら良い」と感じるのですが、しばらく続けているとその形式の限界が見えてきて、別の形式が見えてきます。対面授業の「基本パターン」は原則3つですが、オンライン授業の「基本パターン」も3つ程度にまとめることができるかもしれません。

 直前まで焦りまくって作るときに閃いて新しい形式を編み出せるのもいつものパターンです。ここはホントは直したいところなのですけど‥脳はそういう時にしか閃かないのかもしれません。いずれにしても1歩前進を楽しめました。

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