「読解力」の定義

【授業研究】皆さんは「読解力」の定義を聞かれたら何と説明しますか?

 私は「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著/東洋経済新報社)」などを読み、「読解力」の大事さを感じていますし、先生たちや高校生に話をしてきました。それなのに私は定義を確認していませんでした。反省。

 調べてみると‥まずは広辞苑オンラインで調べると「読解力」は見出し語にありませんでした。「読解」はありました。次のように説明してあります。
  どっ‐かい【読解】文章を読んでその意味を理解し、解釈すること。「―力」

 PISAの定義は全然違っていました。以下です。
 Reading literacy is understanding, using, and reflecting on written texts in order to achieve one's goals, to develop one's knowledge and potential, and to perticipate in society.(PISA 2018 ASSESSMENT AND ANALYTICAL FRAMEWORK © OECD 2019 *1)
訳「読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力である」

 これは「文章を読んで理解する」レベルをはるかに超えて「生きる力」を解説してあるような気がします。特にreflectingに注目したいところです。訳では「熟考」としてありますが、コルブの学習サイクルを基に考えると「リフレクション=考えること」に留まりません。「振り返りと気づきを基に新しい行動に向かう全プロセス」ととらえる方が良い気がします。

 そう考えると「読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、振り返りと気づきを繰り返しながら学習・成長し続ける能力である」と訳したいくらいです。

 ということはこの定義に基づく「読解力」は子供たちのみならず、私たち大人や教師にも必要な「生きる力」です。年を取った人にもリタイアした人にも必要だということです。自分自身の「読解力」は大丈夫なのだろうか?と反省させられます。

(*1)次の資料のp-27下段にあります。
https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/5c07e4f1-en.pdf?expires=1611179277&id=id&accname=guest&checksum=71B20BF42C4679441547BC727BA4F9D8

 

※昨年秋から継続しているオンライン連続講座の案内は以下です。
◎「みんなのオンライン職員室」はこちら→ https://minnano.online/
◎「Find!アクティブラーナー社」はこちら→https://find-activelearning.com/
◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)」は
  こちら→https://www.amazon.co.jp/dp/4382057744/

f:id:a2011:20200204054022p:plain

◎お問い合わせ、研修会講師等のご依頼はこちらへとうぞ。
  →akikb2★hotmail.com ★をアットマークに替えてください。