診断技術と治療技術(2)

【授業研究】医療の世界の言葉を使いながら「診断技術」と「治療技術」という言葉で空手の技の指導を考えていた時期があると、昨日(2021/1/19)に書きました。教師の授業力も技(スキル)ととらえている私は、授業改善を支援するときも「診断技術(分析技術)」と「治療技術(指導技術)」の両方が必要だと感じています。

 しかしながら現実には、アンケート調査などによる「分析技術」の方が遥かに多い気がします。例えば「教師が話している時間」を記録・分析するという方法があります。「話している時間が長すぎるからアクティブラーニングではない」と低く評価されます。でも、では何をどうやればよいのかは教えてもらえません。「ワークの量」「生徒の発言量」「先生の移動距離」「満足度調査」等々は全て「分析技術」に入ります。

 そこで出てきた数値が「授業の質」「学びの質」を完全に把握できているはずはないのに、評価された先生は「傷つきます」。何をどうすればよいのかは教えてくれません。そうなれば分析対象の先生は傷つくか、無視するかです。

 そこで私は「指導技術」が必要だと思っています。そういう分析を使っても良いのですが、大事はそれらをフィードバックするところから「指導・支援」が始まるということです。ということは、「フィードバック」は「指導・支援する人」が行わなくてはないのです。それなのに多くの場合、生の授業を見たこともない人、授業をしたこともない人が「フィードバック」をしています。

 私はアンケート処理などしないで、対象の先生たちの授業をまずは見学します。生で見ることもあれば、最近はオンラインも多用します。そのあと「振り返り」の面接支援をします。そこで意識しているのはカウンセリングで学んだ「ていねいなコミュニケーション」です。背景にあるのは空手で学んだ「技を見る目」と「指導技術」です。

 その先生の意図や目指しているレベルに応じて、自分の授業に自信を持ち、改善点(改善すべき課題)を明確にして、意欲的に次のステップに向かえるように支援することです。おかげさまで私はたくさんの「普段の授業」を見てきました。「見る目も支援するスキルも」かなり鍛えてきました。これを更に高めつつ、このスキルを人に伝えていこうと思います。たぶん今年はこれが大きなチャレンジ目標になります。楽しくなってきました。[この項終わり] 

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