Q&Aシリーズ1「アクティブラーニングの変遷⑴」

【授業研究】今年度から組織的授業改善の支援を始めた某高校があります。県教育センターが支援するのをアドバイスする形です。今年度用の自己紹介講義動画を3部構成で作成中なのですが、第2部までできました。この段階でセンターのМ指導主事が「とてもいいい!みんなに早く見せましょう」と言ってくれたので、できた分だけを公開。

 すると続々と感想・コメントが書き込まれます。そうなると私も力が入りコメントを書きます。書いているうちに、これはブログに掲載したい気持ちになりました。その一部を少しずつ紹介していきます。

《質問》以前は「アクティブ・ラーニング」、「現在は対話的な学び」が学習のキーワードとなっていますが、この2つの相違点は何でしょうか?

 これは良い質問だと思います。偶々、渦中にいた私の経験を基にお話しすることにします。
 "Active Lerning"は2007年ごろからアメリカのIVYリーグ大学の学生たちが使い始めた言葉とのことです。偶々、私が日本で新しい高校物理授業を始めた頃と同時期のようです。そのため「小林さんはアメリカの動きに影響されて始めたのですか?」と聞かれたことが何回かあるのですが、私はその事実を知ったのはずいぶんあとなので、無関係です。

 つまり2007年ごろには日本には「アクティブラーニング」という言葉はありませんでした。私は自分の授業に名前を付ける必要も感じていなかったので何も言いませんでした。私の授業を取材してくれたマスコミ関係の人たちが「小林方式」「小林メソッド」などと書きたがったので、それはやめてもらっていました。物理学者の訓練を受けた私にはこんなことに個人の名前を付けるなんて「恥ずかしいこと」は出来ませんでした。

 2010年ごろからアメリカの言葉が知られるようになり、色々な人が「アクティブラーニング」という言い方をし始めました。このころから私の授業も「アクティブラーニングですね」などと言われ始めましたが、私にとってはどうでも良いことだったので否定も肯定もしませんでした。

 2012年文科省の「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」の中で文科省の用語としては初めて使われました。更に2014年11月に次期学習指導要領「諮問」の目玉として「アクティブラーニング」と「インクルーシブ教育」が提示され、小中高校の先生たちの注目するところとなりました。

 小林は2013年3月に高校教諭を定年退職し、2014年1月から某教育系新聞に「アクティブラーニングが授業を変える」の連載を始め、4月から大学教授に就いていました。
 つまりすでに「アクティブラーニング」をテーマに書いていたということになり、俄かに忙しくなりました。大学出版部は「本を出せ」とうるさいので連載を基に「アクティブラーニング入門(小林昭文著/産業能率大学出版部)」を上梓しました。(2015年4月)[前半はここまで。続きは明日です]

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