GCS第2回全体会

f:id:a2011:20210527071149p:plain

【授業研究】4月からスタートしたGCS(*)第1期の第2回全体会が終わりました。新しい試みとして「10~15分くらいの講義をしてください」と依頼がありました。内容は「ピーター・センゲやリンダ・グラットンなど理論を講義してください」というものでした。「そういう講義が、中堅リーダー育成を必要としている管理職からはリクエストが多いし、それができるのは小林さんの強み」と言われて、なるほどそういうことかと納得して準備をしました。

 私は理論物理出身のせいか、ものごとの根本を論じるような深い理論が好きです。教員になってからは学校教育にはそれらに匹敵する「深い理論がない」と感じました。教科授業、担任指導、生徒指導、進路指導等々の様々な役割を果たす教員としての仕事をしながら「理論がない」ことに違和感を持ち続けていました。

 そこで乱読の中で見つけ出した「7つの習慣」「選択理論」「学習する組織理論」、カーネギーフロイトユング、ロジャーズなどに惹かれました。教員になる前は空手のプロでしたから宮本武蔵などの極意書もヒントになりました。物理・武道と共に学んだ認識論・弁証法・論理学も私の思考基盤になっています。

 私の特徴はこれらの理論を単なる「教養書」とて読んでいたのではなく、教員という仕事を理論的に見通すために読んでいたことです。「実践の導きの糸」としての「理論」という見方です。「そのことが役に立つから講義をして欲しい」というリクエストはとてもうれしいものでした。

 初回の講義にはリンダ・グラットンの「ライフ・シフト」を取り上げました。これを「教師のためのキャリア発達理論」であるという視点から論じました。授業改善を生徒・保護者のためという視点からだけではなく、「教師の人生」という視点からも考えるべきだと論じました。15分ほどの講義、15分間の質疑応答。時間いっぱいの質問をいただきました。この反応もうれしいものでした。

 次回は「キャリア発達理論」を取り上げようと思っています。また、今回の講義は15分と短くまとめたので補足したいこともたくさんあります。それらを動画として配信したいとも思っています。新しいプロジェクトは、動き始めてから次々に色々なリクエストをいただき、それに対応しています。そのことが私の特長・強みを引き出してくれる気がします。「やらされて疲弊する仕事」ではなく、「社会の役に立つと同時に自分自身の成長にもなる仕事」をしている実感があります。

 こういう気持ちは10数年前に高校物理の授業改善と組織的授業改善に取り組んでいた時以来の感覚です。こういう場をいただいていることに感謝します。

*GCS(グループ・コンサルティング・サービス)とはFCEエデュケーション社主催の学校支援プロジェクト。複数の学校のグループとして授業改善等の継続支援をしている。

※昨年秋から継続しているオンライン連続講座の案内は以下です。
◎「みんなのオンライン職員室」はこちら→ https://minnano.online/
◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)」は
  こちら→https://www.amazon.co.jp/dp/4382057744/