授業者スキルと担任・生徒指導スキルの矛盾と体系化

【授業研究】昨日のブログで標記の「私にとっての長年の課題」が解決しそうだと書きました。このことについてfacebook,メール等でいくつかのコメントをいただきました。以下のような内容でした。

「授業者としては自由に動いて話し合ってねと言っているのに、
 担任としては黙れ、動くなと言っています」
「その矛盾、私も長年感じ続けています。本が待ち遠しいです」
「管理職として教員に指導するときにその難しさを感じます」

 これらのコメントはとてもうれしいことです。ほとんど話題にならないけれど、実は多くの人たちが感じていることなのだと確信できました。この矛盾こそ、「工業化社会から知識基盤社会への転換」で最も重要なことなけのだはないかとすら感じます。

 それは「人間は社会的な動物(アリストテレス)」「人間は社会的に創り創られる存在(マルクス)」だからです。この場合の「社会的」の本質的現実は「コミュニケーション」です。つまり工業化社会におけるある世代から次の世代への価値観や感覚の伝達は「コミュニケーション」によって行われます。

 新学習指導要領が提示した「主体的・対話的で深い学びの実現」は教師と生徒のコミュニケーションの方法を旧来のままにしていたのでは実現できないということです。新しいコミュニケーション・スキルが必要になります。しかし、ほとんどの大人(教師)は自分のコミュニケーション・スキルは成長する過程で無意識に獲得してきました。そのスタイルは「工業化社会におけるコミュニケーション・スキル」です。

 そのスキルのままに「新しい学び」を実現しようとしていることが根本的な矛盾です。私は最近、教師や児童生徒のコミュニケーションスキルを育成する方法も現場の先生たちと協力して開発しつつあります。これらは現場からのリクエストに応じて始めたことです。今になって思うと「知識基盤社会に必要なコミュニケーション・スキル」を意図的・計画的に「子どもたちにも、先生たちにも」身に付けてもらうための方法が必要だということのようです。

 現在、某社から「ミドルリーダー育成プログラム」の開発を求められています。大枠は何回か話し合ったので決まっているのですが、イマイチ計画書作成が滞っていました。上記のことを考え行くうちにスッキリしました。「ミドルリーダー育成」の要諦は「旧いコミュニケーションスタイルから新しいコミュニケーションスタイルへの転換」を理論的・実技的に進めればよさそうです。

 これで計画書書けそうです。某社の担当者様、というわけなので、週明けには完成版をお届けできます。締切少し過ぎましたが、ご容赦くたさいませ。m(__)m

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