私の役割は?

【授業研究】ある組織から中学高校の新任教員対象の研修会講師の依頼を受けました。多くの場合1年目は副担任などを務めて、2年目から担任になります。そこで1年目の目的を「担任になる準備をする」という視点で捉えるということです。

 これは良い観点だと思い引き受け、打合せをしました。打ち合わせをしてわかったのは、月イチ程度の頻度で半年以上続く連続研修会だということです。多様な講師が登壇し、様々な分野からの講演やワークショップが計画されています。その一部の内容を見せてもらうと、私と同じ理論基盤の内容もありますが、少し対立しそうな内容もあります。こうなると私が何を話すべきかに迷います。

 こういう時に私が考えるのは「私のユニークさ」です。他の講師とは異なる部分について話をするという方針です。まあ、ざっと講師陣を見ると「現場で長年授業を担当してきた」「古典的な授業を続けたのちに、新しい授業を作って成果を上げた」「カウンセリングやビジネス理論を多用している」「実際に〈授業改善〉を軸として学校現場の改革に関わり続けていて成果を上げている」‥あたりが私のユニークさと言えそうです。

 ここに焦点を絞って話の内容を構成していこうということにしました。このような体験はとてもありがたいことです。特定の学校や組織体の授業改善を任される時には「私の考え方」を明確に前面に押し出します。その上で現場の人たちの意見を聞きつつ、現場に合わせてアレンジしていきます。これは私が中心的リーダーであり、トップから「任されている場合」です。

 今回の私の役割は「多様な講師陣の1人」ということです。講師同士が相互に批判し合ったり、競い合ったりするのではなく、自分強みを提示して、参加者が自分なりに選び取っていくことを促進することです。

 事前に準備をしておいた資料は1枚も使うことなく会議は終わりましたが、基本的な全体構想と私の役割が明確になりました。すっきりして、自分の時間の構想に取り組むことができます。その意味ではとても良い打ち合わせをすることができました。

◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)は

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