【授業研究】仕事もせずに小説を読んでいるわけではないのですが、この作家の小説は手放せなくなっています。読み終えると次の本をバッグに入れて持ち歩き、電車に乗れば読み耽ります。この前の本「シャーロック・ホームズ対伊藤博文(松岡圭祐著/講談社文庫)」は10/26(金)に読み終えましたから、今回の本「ヒトラーの試写室(松岡圭祐著/角川文庫)」は10/27,28,29,30の4日間で読み終えました。
名古屋までの往復の新幹線の中、千葉県松戸市までの往復の電車内、逗子市までの往復の電車内で大半を読んだことになります。こんなに風に乗り物に「乗ったら読む」という生活習慣は高校生の時に身に付けました。大学生のころはあまり電車に乗ることはなく、教員になってからの25年間は車で通勤だったのでこの習慣は途絶えていました。定年退職して研修会講師として飛行機や新幹線・電車に乗ることは増えたのですが、「乗ったらスマホ」の生活になっていました。「スマホはアタマに悪い」という本を立て続けに読み、恐ろしくなって「乗ったら読む」を心がけて数か月。そんな時にこの作家に巡り合いました。これほど読み耽るのは久しぶりのことです。楽しいことです。
この小説も「事実に基づく」としてあります。戦争に翻弄される個人を題材に深い示唆を与えてくれます。モデルになった個人は名前を残すこともなく、何も語らず亡くなったようです。原節子と面識があり、特撮の円谷英二の弟子として学び、その腕を買われてドイツに行き、ゲッペルスとも会っている‥そんな人物です。戦後は映画に関わることもなく、静かに暮らした方のようです。この作品の中でも実名は伏せてあります。
そんな人物を作者はどうやって見つけて、どんな方法でこの個人の歴史を紐解いたのか‥その取材力の凄さにも驚きます。良い小説です。
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