事実と虚構のモザイクの醍醐味

【授業研究】電車等での移動中は文庫本を手放せなくなってきました。部屋にいる時に読みだすと止まらなくなって仕事に支障が出そうなので、移動中以外には読まないように我慢しなくてはならない最近です。それくらいこの作家は面白いのです。

 今回読み終えたのは「生きている理由(松岡圭祐著/講談社文庫)」。「男装の麗人」と言われていたという人物である程度の記憶しかありませんでした。清朝王族の王女として生まれ、日本人の養女となって川島芳子と改名。その後、日本で育ったのち、中国に戻り上海事変の謀略や満州国建国に関わったと言われている人物。最後は中国で売国奴として訴追され死刑判決を受け銃殺刑に処された‥この程度の事しかわかっていないようです。

 その事実を基に、実にいろいろな虚構を編み込んでくれている小説です。与謝野晶子や市川房江が登場したり、関東大震災が重要な要素に組み込まれたり‥実に楽しませてくれます。

 気が付けばまとめて買いこんだこの作家の本は底をついてしまいました。次は買い貯めてある別の作家の本が待っています。移動時間が楽しみです。

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