学生の質問で気づくこと

【授業研究】「実力養成講座(SPI対策も兼ねた数学の授業)」と「ロジカルシンキング実践」の両方を受講している学生が「質問があります」と研究室に来てくれました。主な質問は「数学の勉強の仕方がわからない」でした。

 聞いていると「解法パターンを覚える学習」をしてきたようです。その視点からだと私が「途中経過を書け」「図を書け」とうるさいことに抵抗があったようです。ネット等で学生に評判が良い参考書についての「先生の意見は?」という質問もありました。たまたま、現在のテキストを選定するために買い込んだ本の中にその参考書もあったので、それを見ながら具体的に「なぜこれを選ばなかったのか」を説明しました。

 そのうち「あ、パターンだけ覚えていくと、そのパターンの問題は解けるけど、それ以外の問題は解けないんですね」「自分の壁もそれです。解ける問題は解けるけど、それ以外は全くわからないんです」「解ける問題もパターンは覚えているけど、なぜそれで解けるのかはわからないことが多いです」‥と話し始めました。さらに。

 「そうか、だからロジカルシンキングなんですね」「自分でじっくり考える力が必要だということなんですね。2つの授業がつながりました。小林先生は同じことを言っているのですね!」と続きます。これはうれしいことです。

 数学教育の問題はようやく理解できかけてきました。解決策もおぼろげながら見えてきました。大学で教えることは継続できそうにないですが、授業改善アドバイザーなどの立場でこの問題にチャレンジしていこうと思います。

 最近、学生が「相談があります」と研究室に来てくれることが増えました。まるで高校教員のころに、物理の質問以外に「友人関係」「部活動の悩み」「進路の悩み」などの相談も受けていたころに似ています。これもうれしいことです。

◎新刊「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)は

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