【授業研究】そろそろ大学の授業が始まります。1年生の「基礎ゼミ」の打ち合わせもありました。前期から続いているPBLを後期もやります。SA(スチューデント・アシスタント)から「先生、今度のチーム分けはどうしますか?」と問われます。「どんな方法があるの?」
「①リーダーを5人決めてトレード方式、②私(SA)が決める、ですかね?
クラス対抗に勝てるチームを作るかどうかの方針も大事ですね」とSA。
〈勝つためのチーム作り〉にあまり賛成ではない私のことを良く知ってるSAは、このことについても確認してきます。優秀な秘書のような学生です。
「少し大胆な提案をしてもいい?」
「なにかアイデアがあるのですか?」
「うん。➀学生が自分たちで決める、②各チームの力が多様で同等にする、
というのはどう?」
「え?それ面白そうです。どういうことですか?」
と興味津々のSAに以下の説明をしました。1つの理論と1つのエピソードが思い付きの根拠です。
1つの理論は、横浜国立大学・梅澤秋久氏の体育授業の理論です。生涯体育を実現するには競技体育は逆効果というデータ分析を基にしています。授業中にチーム対抗戦をしていても途中で「振り返り」をさせます。そのテーマは「勝ち負けが偏らないようにルールを変える」です。こうして「みんなで楽しむ体育」をやろうとします。
もう1つのエピソードは庄司薫の小説「赤頭巾ちゃん気を付けて」で紹介されている昔の都立日比谷高校で行われていたクラス分けの方法です。学年の担任を発表して、学年の生徒たちが全員でクラス分けをするというものです。朝から始めて夕方までかかっても、先生たちは一切口出ししないという話です。
これを話すとSAは「へー」「面白い」「すごい」と大喜び。「それやりましょう」と賛成してくれました。丁寧に説明するためにあれこれ準備する必要はありそうですが、楽しいチャレンジになりそうです。さてさて、どうなることやら‥来週の授業が楽しみになってきました。
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