コンサルテーションを実感

【授業研究】今年度から逗子市教育委員会のスーパーバイザーを務めています。今年度の重点指導学校の1つ、逗子市立沼間小学校に伺いました。以前から研究を継続している「体育」の研究授業についての研究会に伺いました。

 小学校で研究会や発表会をどうやるのかを全く知らない私にとっては、メールや資料のやり取りだけでは、具体的なイメージがつかめないまま出席していました。始まってみると驚きました。「低学年」「中学年」「高学年」の3つのブロックに分けて、それぞれの担当者が、これまでの研究概要や今回の発表に向けての提案授業を各10分間で説明してくれます。このレベルが高いのです。

 具体的な種目の選び方や指導の段階性などが児童の発達段階やこの学校の児童の特性を考慮しながらつくられていることがよくわかります。その部分について、私が口を挟むことは何もできません。私にとっては未だに小学生は「未知の存在」ですから。(笑)

 しかし、発表の随所で「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」をどうとらえて、どう組み込むかが理解しにくい、組み込みにくい、という発言が出てきます。そこで各ブロックの提案発表の後に用意された私が助言する30分間は、この部分について話すことにしました。それは一般論と高校物理授業の具体例を取り上げての説明です。では、これを小学生にはどう応用すればよいか‥これは私にはわかりません。

 例えば、グループワークの途中では「活動中の振り返り」を促進するために、私は「チームで協力できていますか?」と質問していました。高校生にはこれで充分伝わります。しかし、小学生にはどうなのか、わかりません。すると小学校の先生たちからは「低学年ならこうかな」「高学年ならそれでも通じるかも」‥などの意見が出てきます。私は「それらの具体化はみなさんにお任せです。どういう言葉を使うのかは教えてください」と応えます。

 こんなやりとりをしながら、久しぶりにカウンセリングの理論的な勉強をしている時に学んだ「コンサルテーション」の定義を思い出していました。つまり「専門家同士の相談・相互支援」ということです。小学校の先生たちは私の一般論と高校の具体例をヒントに児童への対応のヒントを得ることができます。具体化するのは小学校の先生たちです。ここから先は私にはほとんど実践することができません。

 このプロセスは私にとっても大いに役立ちます。それは高校の具体例しか持たない私が小学校の具体とのつながりを理解できるということです。私の一般論が小学校でどう具体化できるということがわかります。それが高校の具体にも役立ちますし、一般論を説明するときの深みにもつながります。「コンサルテーションってこういうことね」と腑に落ちた気がした瞬間でした。

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