乱読のセレンディピティ

【授業研究】(今日は随筆風に)

 私は子供のころから本屋で何時間もウロウロしながら本を眺めるのが好きだった。何となく気になった本を買ってきては読んでいた。長い間途絶えていたその習慣が最近復活した。

 理由は2つ。1つはスマホの害について数冊読んで恐ろしくなったからだ。「電車に乗ればスマホ」を改めるために「電車に乗れば読書」に改めたからだ。2つは自宅から歩いて20分くらいのところにお気に入りの小さな本屋と喫茶店を見つけたからだ。

 小さな本屋の店主の主張が強い。他の本屋とは異なる配列をしている。しかも、1週間程度で少しずつ変わる。従って毎週行くと他の本屋では見ることない本と偶然に巡り合うことが多い。往復40分の散歩は身体にも良い。

 更にそのそばの喫茶店が良い。コーヒーがうまい。ゆったりとした空間は読書に良い。人気店なので待たされることもあるが、待合の椅子もゆったりしているので、本を読みながら待てる。

 上記の本屋で見つけた本のひとつが「乱読のセレンディピティ(外山滋比古/扶桑社文庫)」。そのセレンディピティを実感させてくれたのが「dele3(ディーリー)(本多孝好/角川文庫)」。プラットホームで次の電車待ちの数分間に読んでいて、その電車が目の前に停車し出発するのに気が付かず乗り過ごしてしまった。

 こんな体験は高校生の時以来。あのころはバス停で本を読みながらしばしばバスを逃していた。