博覧強記の主人公に興味津々

【授業研究】「闇の伴走者(長崎尚志著/新潮文庫)」がとても面白かったので、その続編のこの作品も読んでみたくなりました。博覧強記の主人公・醍醐真司の話をもっと聞きたいという気分です。

 今回は「闇の伴走者」と同様に「漫画」に関連するミステリー主に取り上げているのですが、もう1つのテーマが「邪馬台国論争」です。私は伊沢元彦の「逆説の日本史1 古代黎明編:封印された[倭]の謎(伊沢元彦著/小学館文庫)」を読んで以来、邪馬台国九州説に傾いているのですが、色々な推理を読むのは楽しいものです。

 この本でもその論争を下敷きにした醍醐真司の解説が続きます。その中で「うん?」とひっかかったのが、次の一節。

(奈良県箸墓古墳の年代が卑弥呼のいた時期に重なるという醍醐の説明を聞いて、

漫画家・朝倉は‥)

「それで、卑弥呼箸墓古墳に葬られているってことで、

 決まりってわけね」

「そうです」(と醍醐は)うなずいた。

「でも、それで決まりじゃない。

 決まりのように、朝日新聞NHKが導いているだけです」(と醍醐はつぶやいた)

[文庫版 p-137 ( )内は小林の注釈]

 「朝日新聞NHKが導いている?」‥‥知らない事だったので調べてみました。調べてみると、箸墓古墳についての報道は朝日新聞NHKが連携しているかのように密接で、他の報道機関はあまり扱っていないことがわかります。一部には、朝日新聞社の特定記者の名前をあげて批判している記事もあります。伊沢元彦をバックアップしているのは小学館だから、彼の説はあまり広がらないということなのでしょうか?

 醍醐真司の話を聞きたいので、次の本も買ってしまいました。

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