【授業研究】少し前の記事ですが、2019年05月10日(金)日本経済新聞1面の記事を読んで、色々考えさせられました。3,4年生が多い大学の授業で取り上げてみました。好評でした。新井紀子氏のインタビュー記事「AIに勝る読解力養おう」です。要点は以下です。
(「・」印は本文の引用または要約)
1 マクロ経済学の視点からは未来の予想は暗い。
・内閣府「2030年展望と改革タスクフォース」の委員に参加した。
・イノベーション以外の指標は全て悪化している。
・イノベーションのみが不確定要素
・「一発逆転」を狙いたい気持ちはわかるが
イノベーションがいつ起こるかは予測不可能だ。
2 世界と日本の平成時代の状況は暗い
・資本主義社会の出現は大勢の人間(労働力)を必要とした。
・デジタライゼーションは人を不要にした。
・GAFAは国境を超えて富を集めながら人間を雇用しない。
・富の再配分が機能ぜす、近代社会の前提が崩壊している。
3 日本の課題
・日本が1つの経済圏を維持するには「人口1億人」の維持が鍵。
・「東ロボくん」研究でAIの限界はわかった。
同時に多くの中高生にもAI同様に読解力不足が明確になった。
・ここでいう「読解力」は鑑賞力ではない。教科書や新聞など、
事実に基づく文章を正確に理解する力だ。
・これを放置するとAIに仕事を奪われる層が増え、
格差社会が広がる危険性がある。
4 何をやるべきか
・読解力は生産性に直結する。指示を読んで正確に理解できない
メンバーが組織内に数人いるだけでビジネスは滞り、生産性が下がる。
・AIと差別化できる力は「創造力」の意見には否定的。
論理力のない思い付きはアイデア倒れになりやすい。
・型破りは基本の型が身に付いたうえで破壊するから型破り。
・まずは日本語を学ぶ(=読解力を上げる)こと。
・次にAIの基礎となる数学をしっかりと身に付けて欲しい。