昔取った杵柄?[2]

【授業研究】昨日の記事の続きをもう少し詳しく。基本方針は「これまでの行事はそのままやろう。やり方をかえる」です。これまでのセレモニーや事務的時間のやり方を変えれば生徒たちの学び方を変えることができます。

 例えば、入学式を話題にしました。通常、セレモニーとしての入学式が終わると新入生は各くラスへ移動。たくさんの提出書類を「番号中にそろえるために」、1枚ずつ列の後ろから回して揃えます。1枚を集めるのに軽く2~3分かかります。丁寧に先生がチェックすると5分かかります。ということは、10枚の書類提出に30~40分かかります。その間、お互いに名前も顔も知らない生徒たちは「知らない人たちと無言でそばにして、言われたとおりに書類を渡したり受け取ったり」します。

 ここを変えようという提案です。書類は段ボール箱を用意して、どさっと入れる。生徒たちが名前を書いてきてくれていれば、5分もかかりません。で、浮いた時間に私の得意な「座席表づくり」と「担任自己紹介」のグループワークを行います。2つ合わせても30分程度。これだけで生徒たちは帰りにはワイワイ話しながら帰ります。翌朝は「おはよう!」の声かはずみます。グループワークの下準備はできたということです。

 この最初のワークのワークシートの最後には「振り返りと気づきむを書く欄があります。最初から「対話的な活動をする」「振り返る」「気づきを得る」‥活動が始まります。新入生の全クラスでこれができたら、「総合的な探究の時間」のスタートであり、「基礎基本を習得する」教科科目の授業の土台作りになります。つまり「探究」は教科横断的な学びとなり、習得過程に良い刺激を与えることになります。

 もうひとつ。箱にどさどさと入れた書類はどうするか。担任が1人で整理するのは大変なのですが、1学年の副担任や学年外の先生たちや2,3年の先生たちも巻き込んで一斉にやることをお勧めします。何が起きるか。入学式や新入生の印象を語り合いながらの楽しい作業になります。先生たちの対話や協働が生まれるということです。仕事時間短縮にも少し貢献できます。どこかの学年が忙しい時は他学年が協力する‥この文化をつくることも大切です。

 この話題はこの某高校での打ち合わせのごく一部分。あっという間に予定していた時間が終わってしまう楽しい時間でした。この学校の取組みを少しずつ書いていきます。いずれ本にできるかも‥。お楽しみに。[この項終わり]

◎新刊(2018/7/1発売)のアマゾンはこちら↓

 「座席表づくり」「担任自己紹介」もこの中で紹介してあります。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4866141077/ref=sr

f:id:a2011:20180618201114j:plain

◎小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。

  →http://al-and-al.co.jp