【「ワークシート」開発の思い出2】振り返ってみれば、十数年前のことですから、「グループワーク(構成的グループエンカウンター)をキャリア教育に取り込む」ことも「グループワークのためにワークシートを使う」のも、新しい発想でした。担任のみんなが、驚いたり、こわがったりしたのも、当然だと思います。
しかし、当時の私にとってはせっかく提案したものを「全員一致で反対」されたのはショックでした。これを支えてくれたのは、同じ係のNさんでした。Nさんとは偶々、前任校でも一緒でした。その時、私は生徒指導部主任。初任のNさんには様々なてほどきをしたことがありました。それで私のことを信頼してくれていました。
「全員一致で反対」にショックを受けている私に、「小林さん、あのグループワークが否定されたんじゃないんですよ。あれはいいと思いますよ。でも、みんなの不安と負担が問題なんです。それを軽くする方法を考えようじゃないですか」、と励ましてくれました。この「方法を考えよう」のひと言が、私を前向きにさせてくれました。これが、「グループワークのためのワークシート」という発想につながりました。
更に、学年主任からの強烈なひと言もありました。2〜3回が済んで、担任からもワークシートに好評を得始めたときに、「こんな、すっとんきょうなものはやめて欲しい」と言われました。当時は、ワープロもようやく使い始めたころで、上手に図を入れたりすることができませんでした。やむなく、図や記入欄は、手書きでした。「ヘタウマって感じていいですよ」「手書きは温かい感じですよ」とNさんたちは、ほめてくれていましたが、まあ、あまり見た目がかっこいいものではないことは確かでした。
それでも「すっとんきょう」と言われるとは?!これまた、ショックでした。この時は、担任のみんなが反論しました。「何言ってるんですか。これは教室では生徒達に好評ですよ」「俺たち、担任だってこのワークシートのおかげて助かっているんだよ」‥。学年主任は何も言い返せずに沈黙。今では懐かしい思い出です。
新しいことを始めるときには、こんなことがつきものです。私だって、これらのことに傷つきます。ただ、振り返ってみると、そんな場面に必ず誰かがそばにいてくれました。私が傷ついたり、あきらめかけたりすると、誰かが支持してくれました。励ましてくれました。その点で私はラッキーだったと思います。(この項続く)