【授業研究】神戸野田高校に伺いました。生徒向け授業を先生たちに見学していただき、そのあと「授業者を傷つけない振り返り会」を紹介しながら質問に答えました。その後、自由参加で質疑応答の時間をとったのですが、十数人の先生たちが部屋に押しかけ、延々と質問が続きました。予定時間を少し超えてしまいました。うれしいことです。その生徒向け授業の直前にいただいた質問が少し気付きがありました。
質問は「初対面の生徒を相手に、見学者もこんなにいて、緊張したり不安になったりしないのですか?何を意識して授業をやるのですか?」でした。以下のように回答しました。
「私が生徒たちをうまく動かそうとはしていないですね。生徒たちがいつもまようにリラックスしてくれたら、授業はうまくいくと思っています。なので、生徒たちがあり緊張しないようにすることを意識して働きかけています」
この回答自体に私はすっきりしていなくて、その後も考え続けていました。以下のようなことに気が付きました。
・たぶん多くの授業者は「自分のことに意識が向いている」。
だから、自分がうまくできるかどうか、指導案通りに進めることができるかどうか、
生徒たちをうまく動かすことができるかどうか、
居眠りさせないようにできるかどうか‥など考えると不安になる。
・私は「生徒に意識を向けている」
生徒はリラックスできているかな、質問したり教えてりしているかな、
どこをやるべきなのかわかっているかな、鉛筆を持っているかな、
手は動いているかな、 仲間外れになっている生徒はいないかな‥
などを意識しながら生徒たちを観察し続けています。
このようにしているときに、私には周囲の見学者たちにどうみられているかな?
私は(見学している人たちに対して)うまくやれているかな?
などとは考えていません。
この違いかなと感じています。
この感覚は空手の試合をやっていた時によく似ています。
試合中に大勢の観客や大声の応援や激しいヤジは聞こえていますが気になりません。
それは「相手に意識をしているから」です。
授業者として大切なことは、
「生徒に意識を集中する」というだけのことかもしれません。
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