【授業研究】あるつながりから依頼された講演は、当初それほど難しいことではない気軽な仕事と感じていました。ところが、間に立ってくれた方と担当者との調節は徐々に難しい感じになってきました。
そのテーマは「総合的な探究の時間」にどう対応すればよいのかを教えて欲しい、というものでした。その背景には大学受験にどうつなげるのか、「主体的・対話的で深い学びの実現」とどうつなげるのか‥などに担当の方はかなり迷っていらっしゃるようでした。‥そのやりとりを間に立ってくれた人から聞き、電話やメールでやりとりしながら、再提案をしました。その仮テーマは以下です。
「総合的な探究の時間」と「教育の強靭化」
~探究の時間を活用して新しい入試に対応する力を育成する~
お返事は、「まさにこういった内容の話を望んでいた」でした。ほっとしました。
この混乱は今から、20年くらい前の出来事を思い出させてくれました。「総合的な学習の時間」が始まる時のことです。そのころ転勤した私は、新しい高校でその「総合的な学習の時間」の担当者になっていました。他の任務については了解できたもの、これは意味不明。「は?、なんですかそれは?」と反問したものでした。
管理職からは「よくわからないんだよね。キャリア教育をテーマにすることだけは前の校長が決めて出ていきました。小林さん、カウンセリングやっているからできるでしょ」と言われて焦りました。あちこちに尋ねて歩きました。偶々詳しい人と巡り合い、文献を読み漁り、学年の担任の先生たちと大騒ぎをしながら協力し、かなりの成果を上げたと自負できるものになりました。
この成功体験が私にとっては、当時は未だワンウェイだった物理授業を見直すきっかけになりました。「教科科目の枠を超えた学び」を通して「生きる力を高める」という発想は当時は少々理解しにくい考え方でした。今回は、「教科科目を超えた学び」を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、「資質・能力」を高め、「思考力・判断力・表現力」を鍛えて、「知識・技能」も高める(点数もあげる)。‥と考えるととてもわかりやすくなってきたと感じています。
今回の講演では、20年前の私の取組みや、その過程での学びが成績向上も実現することにもつながったこと、このころ私がAO入試対策に編み出した方法が「総合的な探究の時間」の指導方法に役立つと共に、「主体的・対話的で深い学び」を実現するスキルを開発できたことで「教育の強靭化」を実現できたことを取り上げようと思います。
それらを基に「総合的な探究の時間」の設計や進め方のヒントを得てもらえるようにしたいと思います。軽い気持ちで受けたことが、困難に直面し、それを乗り越えたことで、良い学びになり、益々意欲的にこの仕事に臨むことができそうです。ありがたい経験となりそうです。
※イベント概要です。
1 イベント名称 Campusノートから始める授業改善
「主体的・対話的で深い学びをどう実現するか」
2 講師 小林昭文(産業能率大学経営学部教授)
3 日時 大阪 10月20日(土) 13:00~16:00
熊本 10月27日(土) 13:00~16:00
4 会場 大阪 コクヨ本社8階中会議室
熊本 尚絅大学
◎内容の詳細と申し込みは以下の「こくちーず」をご覧ください。
大阪 https://kokucheese.com/event/index/539397/
熊本 https://kokucheese.com/event/index/539415/
◎チラシは以下からダウンロードできます。
大阪 http://al-and-al.co.jp/kokuyoseminer1/
熊本 http://al-and-al.co.jp/kokuyoseminer2/