「ベテランは尊重されない‥」

【授業研究】少し前に講師として伺った学校からリフレクションカードが届きました。その中に「どきり」とするコメントがありました。「58歳」と記した女性の先生りコメントでした。

「小林先生がおっしゃったとおり、ベテラン(退職間際)の教員には、

 経験も豊かで、新しい発想ができる場合もあるのに、

 学校現場ではそれが尊重されないことが多いと思う」

 これは重いコメントです。

 ここの〈小林先生がおっしゃったとおり‥〉というのはこういうことです。私が高校物理授業を大改造したのは55歳になるときでした。「その年でチャレンジするのはすごい」とよく言われます。しかし、私は「その年だったから成功できた」部分も多いと思っています。35歳で教員になって、この挑戦をするまでの約20年間に、様々なタイプの学校を経験し、カウンセリング、キャリア教育、組織論、ビジネス理論等々を学んできたからこその成功でした。

 前例のない授業にチャレンジしているのですから、前例のない壁が立ちふさがります。本にも書いてない、誰も解決策を教えてくれない問題です。しかも授業中の出来事ですから「待ったなし」に対応しなくてはなりません。これを支えたのは約20年間の学びであり、55歳という年齢だったと思っています。「板書・ノートなし」「おしゃべり、立ち歩き自由」などの当時としては非常識な授業を展開できたのも50代後半=退職間際だったからだと思っています。

 私は偶々、「(良い意味で)ヘンなベテラン」と若い人たちから尊重され、管理職からも頼りにされていたので、疎外感を味わうことはほとんどありませんでしたが、多くのベテランはこのコメントを書いた方のような気持なのだと思います。それは辛いことです。それではベテランの能力も柔軟な発想力も豊かな経験も活用できません。

 管理職のみさなんにも、若い方にも、この辺りを理解して欲しいものです。そして、ベテランの皆さんに声を大にして言いたいことがあります。

「人生の残りはまだ40~50年あります。これは20代で教員になった人が定年退職するまでの時間よりも長いくらいです。つまり、今までの倍は成長できる余地があるということです。どうぞ、諦めず、いじけず、ひがんだり恨んだりすることもなく、自分の目の前の生徒たちを大切にしながら仕事をしましょう。その意欲と力が100年人生をより豊かなものにします」

※イベント概要です。拡散希望です。

1 イベント名称 Campusノートから始める授業改善
        「主体的・対話的で深い学びをどう実現するか」
2 講師    小林昭文(産業能率大学経営学部教授)

3 日時    大阪 10月20日(土) 13:00~16:00

          熊本 10月27日(土) 13:00~16:00
4    会場    大阪   コクヨ本社8階中会議室 

         熊本     尚絅大学

◎内容の詳細と申し込みは以下の「こくちーず」をご覧ください。

 大阪 https://kokucheese.com/event/index/539397/

 熊本 https://kokucheese.com/event/index/539415/

◎チラシは以下からダウンロードできます。

 配布していただけるとありがたいです。 

 大阪  http://al-and-al.co.jp/kokuyoseminer1/

 熊本  http://al-and-al.co.jp/kokuyoseminer2/

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