これまでの学校改革は全て「授業以外」?

【授業改善の必要性11】「カウンセラー」が学校内に入ったときは物議を醸しました。「キャリア教育」もそうでした。社会人や保護者を招いて講演会などかはやりました。外部団体が経産省厚労省の予算を使って、キャリア教育としての授業をを提案し、学校内で展開されたりもしました。これらは、「学校改革だ」ともてはやされました。
  しかし、これらは全て学校行事やLHR(ロング・ホーム・ルーム)や「総合的な学習の時間」に実施されたものです。英語や国語や理科といった「教科科目の授業」として行われたものはほとんどないのです。「学校コンサルタント」やカウンセラーやビジネス・コーチのような人が教員相手に研修会をすることも増えました。それらも、全て「教科科目の授業」以外のことです。
  ついでに言えば、突然、「荒れる学校が進学校に転身」したとか、「成績下位の学校が難関校に続々と進学するようになった」とか宣伝される「学校改革」の中身も、ほとんどが「教科科目の授業」以外の改善です。校舎改築、制服改定、新コース設置、カリスマ校長やカリスマ教師の就任、マスコミによる宣伝の成功、などによることが多いのです。人気になれば成績上位の生徒が集まり、競争率が高くなれば成績下位の生徒は入れなくなるという仕組みです。
 そういう改革で有名になった学校のいくつかを私は訪問して同じ質問をしてきました。「で、授業改善は何をしたのですか? 授業研究にどんな改善をしたのですか?」私が尋ねた数校はいずれも「いいえ、何もしていません」でした。(この項続く)